ウェーブス(Waves)とは?独自トークンを自由に発行できる仮想通貨を解説。

by AIGRAM

世界には、数千種類もの仮想通貨が存在します。
今回紹介するウェーブス(Waves/WAVES)は、ロシアで誕生したコインであり、独自の仮想通貨を自由に発行できるという特徴を持っています。
この記事では、ウェーブスの概要をはじめ、独自トークン発行機能や承認形式、そして今後の展開について、詳しく解説します。

目次

独自トークンを発行できるウェーブス

ウェーブスはロシアの物理学者、アレクサンダー・イヴァノフ氏が、2016年に立ち上げたプロジェクトであり、分散型アプリケーションのプラットフォームです。
開発チームは当初、ネクスト(Nxt/NXT)を開発していましたが、意見の対立からハードフォークが行われ、ウェーブスが誕生したという経緯があります。
公開に先立って行われた2016年のICO(仮想通貨のプレセール)では、1,600万ドルもの巨額の資金調達に成功しており、非常に期待されているプロジェクトです。

また、ウェーブスのプラットフォーム上では、WAVESという単位の仮想通貨が使われており、その総発行枚数は1億WAVESで、追加発行はありません。

ウェーブスのおける最大の特徴は、ブロックチェーン上において、CAT(Custom Application Token)と呼ばれる独自のトークンを簡単に発行できるという点です。
ウェーブスのプラットフォームを利用すれば、誰でも簡単にオリジナルのトークンが発行できます。
発行したオリジナルのトークンは、ICOに活用できるということもあって、これまでに数多くのトークンが発行されています。

ウェーブスは2021年12月現在、1WAVES=2,100円前後で取り引きされており、時価総額は約2,300億円、仮想通貨市場ランキング第67位の規模を誇ります。

大小さまざまなコミュニティで流通する独自トークン

前述の通りウェーブスは、プラットフォーム上においてオリジナルトークンが発行できるという点が最大の特徴です。
名称や発行総量などの必要最低限の設定と、手数料の1WAVESを支払えば、簡単にトークンが発行できます。
特に専門の知識がない人でも、送金機能が付与された独自のトークンを気軽に発行でき、プロジェクト間での支払いなどに活用が期待されています。

また、発行したオリジナルのトークンは、仮想通貨のプレセールであるICOに活用できます。
ICO(Initial Coin Offering)とは、企業が新しい仮想通貨を発行し、それを法定通貨で購入してもらうことで資金を調達する手法です。
企業が資金調達をする際、これまでは株式を発行して上場する必要がありましたが、この方法では複雑な手続きと審査、多額のコストがかかってしまいます。
しかし、ICOを用いれば簡単な手続きだけでスムーズな資金調達が可能となるのです。
これまでに、数々のトークンがウェーブスのプラットフォーム上でICOを実施してきました。
中でも「Mobile GO」というトークンは、約58億円という巨額の資金調達に成功しています。

また、大手ハンバーガーチェーンの「バーガーキング」では、今まで運営していたポイントシステムの替わりに、ウェーブスを利用した「Whoppercoin (ワッパーコイン)」を発行し、話題になりました。
ウェーブスで発行された仮想通貨は、既に2万種類を数えており、大規模なICOから小さなコミュニティで流通するコインまで、非常に幅広く利用されています。
さらに2020年には、イーサリアム(Ethereum/ETH)規格である「ERC-20」のトークンをリリースすることで、そのプラットフォームはイーサリアムと相互運用できるようになりました。

珍しい承認形式や、ライトウォレットの採用も

ブロックチェーンは容量が大きく、ダウンロードに時間がかかってしまうのが欠点です。
そこでウェーブスは、「ライトウォレット」という、必要最小限のデータさえあればブロックチェーンに接続できる機能が備わっています。
これは、ハードフォーク前のコインであるネクストから引き継いだ機能であり、非常に見やすいインターフェイスを備え、簡単に操作が可能となっています。
ライトウォレットはGoogle Chromeアプリ版も開発されており、ワンクリックで導入でき、自動アップデートも可能など、誰でも手軽に扱える工夫が凝らされています。

また、公式ウォレットには、DEX(分散型取引所)が統合されています。
これによって取引所という管理者は不要となり、ウォレットの管理は自分で行います。
秘密鍵も自分で保持するため、非常に高いセキュリティを実現。
そして、ゲートウェイ機能を持つウェーブスでは、ビットコイン(Bitcoin/BTC)など数種類の仮想通貨に加えて、法定通貨であるドルとユーロも取り扱えます。

ウェーブスは、コンセンサスアルゴリズムに「リース・プルーフ・オブ・ステーク(LPoS)」という、珍しい方式を採用していることも特徴です。
通貨の保有量に応じて報酬が支払われる「プルーフ・オブ・ステーク(PoS)」の発展型であり、仮想通貨を貸し出した量に応じて報酬が支払われる仕組みです。

さらに、独自の技術「Waves NG」を採用したウェーブスは、送金スピードも高められています。
これによって、1秒間に100件のトランザクションの処理が可能となり、1秒間に数件程度という処理速度のビットコインと比較して、とても実用的なコインとなっているのです。

ウェーブスの将来性

ウェーブスは2016年の公開以降、2017年にかけては1WAVES=20円前後で低調に推移していました。
仮想通貨バブルが起こった、2017年の年末には1,700円超まで高騰しますが、その後は落ち着きを取り戻します。
ところが、2019年11月の60円台を底値として、再び盛り上がりを見せ始めました。
そして、仮想通貨の上昇相場となった2021年5月には3,900円まで値を上げ、一旦は下がりますが、同年10月にも3,600円を記録するほど、価値を上げているのです。

なお、ウェーブスは日本の取引所では取り扱っておらず、入手にはバイナンスなどの海外取引所に、別の仮想通貨を送金する必要があります。

まとめ

以上、ウェーブスの概要をはじめ、独自トークン発行機能や承認形式、そして今後の展開ついて、詳しく解説しました。

1WAVESを支払いさえすれば、誰でも自由に独自トークンを発行できるウェーブス。
独自の承認形式やライトウォレットなど、付随する機能も魅力的なプラットフォームとなります。
仮想通貨市場ランキングも比較的高い順位をキープしており、今後の発展が非常に期待できる仮想通貨だと言えるでしょう。

参考文献

WAVES(ウェーブス)

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