ユニスワップ(Uniswap)とは?イーサリアム最大の分散型取引所(DEX)を解説。
イーサリアム上にある分散型取引所(DEX)の中で、一番人気のユニスワップ(Uniswap/UNI)。週に100億ドル以上の取引量を誇る、ユニスワップの概要や主な特徴、今後の見通しや将来性について詳しく解説します。
目次
はじめに
仮想通貨ランキング第2位の規模を持つイーサリアム(Ethereum/ETH)では、スマートコントラクト(契約の自動実行)機能を利用した分散型取引所(DEX)が複数、存在しています。
その中でも、一番大きく人気の高いDEXが「ユニスワップ(Uniswap/UNI)」です。
この記事では、ユニスワップの概要や主な特徴、そして将来性について詳しく解説します。
ユニスワップは分散型取引所
ユニスワップは、2018年に誕生した分散型取引所(DEX)です。
創業者はイーサリアムの開発にも携わったヘイデン・アダムズ氏であり、イーサリアムの創始者であるヴィタリック・ブテリン氏のブログ記事の1つからインスピレーションを得て、開発を開始しました。
そのブテリン氏はユニスワップの開発を監修しており、プロトコルの命名も担当しています。
取引量は週に100億ドル以上
分散型取引所「DEX」とは、契約の自動実行機能であるスマートコントラクトを用いて、管理者を介さずにユーザー同士で直接やり取りができる取引所です。
イーサリアム上にはいくつかの分散型取引所がありますが、ユニスワップはそれらとは大きな差が付くほど人気が高く、総取引額も2021年の時点で週に100億ドル以上が記録されています。
イーサリアム上にあるユニスワップでは、ウォレットとしてイーサリアムのMetaMaskが使用可能です。
MetaMaskはスマホのアプリもリリースされていますので、スマホ上でも取引できます。
公式サイトは日本語に対応しており、安心して取引ができるようになっています。
ガバナンストークン「UNI」
ユニスワップでは、ガバナンストークンとして「UNI」が発行されています。
UNIはイーサリアムの規格である「ERC-20」トークンでつくられており、発行上限は10億UNIです。
UNIは今後、4年にわたって徐々に利用可能となる仕組みで、ネットワーク維持のため2%の恒久的なインフレ率の導入が予定されています。
2022年1月現在、ユニスワップは1UNI=1,800円前後で取り引きされており、時価総額は約1兆1,300億円、仮想通貨の市場ランキングでは第21位の規模を保持しています。
ユニスワップにおける3つの主な特徴
ここからは、ユニスワップの主な特徴を見ていきましょう。
ユーザー同士で取引される分散型取引所DEX
分散型取引所「DEX」とは、コインチェック社やバイナンスなどの中央集権型の取引所とは異なり、ユーザー同士が直に仮想通貨を売買できる分散型の取引所のことを指します。
仮想通貨の取引を開始する際、一般的には取引所で口座を開設した上で法定通貨を入金し、仮想通貨と交換します。
仲介する取引所は企業が運営していますので、経費をまかなうために「手数料」を徴収しますが、その額は決して安いものではありません。
一方のDEXでは仲介する企業が存在せず、ユーザー同士による取引となって手数料が要らないため、コストを抑えることができるのです。
中央の管理者がいなくてもユーザー同士で取引ができるのは、スマートコントラクトと呼ばれる、あらかじめプログラミングされた内容で契約を自動実行する仕組みで実現しています。
多彩な銘柄が取り扱われるDEX
DEXではマイナーなコインなど、多彩な銘柄の取引が可能という特徴もあります。
従来型の中央集権的な取引所では、新しい仮想通貨が上場する際は審査が必要です。
DEXは管理者が不在であるため上場審査はありませんので、さまざまな仮想通貨が自由に取引することができるのです。
ただし、仮想通貨の中には、ただ資金を調達するだけのいわゆる「詐欺コイン」も多くあります。DEXでの投資は、完全に自己責任である点に注意が必要です。
AMMで流動性を高めるユニスワップ
新しい仕組みであるDEXは、ユーザー数や取り扱い銘柄が少なく、取引の流動性が低くなりがちになるというデメリットがあります。
ユーザー同士でトレードするため、不当な価格提示などによって市場がうまく回らなくなってしまうのです。
そこでユニスワップでは、AMM(オートマーケットメーカー)というプロトコルを採用しています。
AMMは、取引所内にプールされている通貨の量から、プログラムによって瞬時に価格が決定される仕組みです。
これによって市場の流動性が高められてDEXの欠点を解消するとともに、スピーディな取引を実現しています。
さらに、DEXの取引を活発化させるためにはたくさんの通貨を取引所内にプールさせ、流動性を確保しておく必要もあります。
そのため、ユニスワップ内にイーサリアム系の仮想通貨を一定期間プールしておけば、対価としてUNIトークンが受け取れる仕組みを採用しています。
DeFi市場の拡大で見える将来性
最後に、ユニスワップの将来性を見ていきましょう。
ユニスワップのシェア
ユニスワップはイーサリアムのネットワーク上にあり、オンチェーンの実に90%を占めるほどの大きなシェアを誇っています。
そして、DeFi(ディーファイ/Decentralized Finance)やDEXの市場は今後も大きく伸びていくと予想されていますので、それに連動してユニスワップの価値も高まっていくと思われます。
一方で、ユニスワップはイーサリアムのネットワークを使っているため、スケーラビリティ問題によって取引手数料(GAS)が高くなってしまう点がネックです。
将来性の鍵は競合との差別化
他のDEX、例えば「パンケーキスワップ(Pancakeswap)」はイーサリアム系のブロックチェーンを使用していませんので手数料が安く済み、近年は人気が出ています。
ユニスワップにおいては、競合するDEXとの差別化や利便性をさらに高め、取引所としての価値を今後も上げることができれば、ガバナンストークンであるUNIも価値が向上するでしょう。
イーサリアム最大の取引所であるにも関わらず、残念ながらユニスワップは国内の取引所による取り扱いはありません。
UNIの入手には、海外の取引所に別の仮想通貨を送金する必要があります。
まとめ
イーサリアムのネットワーク上にあるユニスワップは、仮想通貨の分散型取引所(DEX)です。
イーサリアムにおいて高いシェアを持っており、プラットフォーム上では多彩な仮想通貨の取引が、ユーザー同士によって行われています。
ガバナンストークンとしてUNIが発行され、他の仮想通貨をステーキングすることで入手可能であり、投資家の間で人気が高まっています。
他にもDEXは存在しますが、今後も利便性や機能面でリードできれば、ユニスワップはさらに伸びていくことでしょう。
参考文献
Uniswap(ユニスワップ)とは?特徴や仕組みについて徹底解説!
Uniswap(ユニスワップ)とは?特徴・使い方とUNIトークンの稼ぎ方を徹底解説
【2022年】ユニスワップ(Uniswap/UNI)の将来性と始め方|ガス代が高い?話題の分散型取引所をわかりやすく解説