テゾス(Tezos)とは?その将来性が期待されている、新興の仮想通貨を解説

by AIGRAM

2020年12月、国内の取引所において新たに仮想通貨が上場し、一時話題を集めました。
テゾス(Tezos/XTZ)です。
テゾスは、分散性が重視された承認システムや、独自のスマートコントラクトを持ち、ハードフォークが発生せず分裂の心配がないなど、他のブロックチェーンとは一線を画している仮想通貨です。
この記事では、テゾスの概要や独自の特徴、そして将来性について詳しく解説します。

目次

テゾスとは?

テゾスとは、イーサリアム(Ethereum/ETH)と似た性質を持っており、スマートコントラクトや分散型アプリケーション(Dapps)の開発と展開ができるブロックチェーンのプラットフォーム、および内部で使用される仮想通貨を指します。

テゾスは、ビットコイン(Bitcoin/BTC)やイーサリアムと比べると知名度が低く、マイナーなコインですが、彼らの弱点を克服した仮想通貨と言われており、将来性が期待されています。

テゾスのホワイトペーパーは2014年に公開され、その後の2017年にはテゾス財団が発足。
同時に、ICOで250億円の資金調達を成功させ、2018年にはメインネットの稼働がスタートしました。

日本国内でも、前述の通り2020年末に取り扱いが開始され、500円でスタートした価格は一時、300円まで下げましたが、現在は730円まで高騰しています。

テゾスの時価総額は2021年9月現在、6,010億円で、仮想通貨市場ランキング第32位の規模を持っています。

テゾスの3つの特徴

では、テゾス独自となる、3つの特徴を見ていきましょう。

独自のコンセンサスアルゴリズムを採用

テゾスは、コンセンサスアルゴリズムに、独自の「リキッド・プルーフ・オブ・ステーク(LPoS)」を採用しています。

イーサリアム(Ethereum/ETH)に採用されている「プルーフ・オブ・ステーク(PoS)」は、より多くの通貨を持つ人が、マイニングと呼ばれる承認作業を担うことができる仕組みです。
PoSは、ビットコインが採用する「プルーフ・オブ・ワーク(PoW)」とは異なり、特殊な機器や大量の電力は必要としません。
そして、PoSは「多くの通貨を持つ者は、不正をしてまで自分が参加するネットワークの信用を落とさないはず」という性善説で成り立っています。

テゾスのLPoSは、PoSの一種ですが、通貨の保有量が少ない人にもチャンスがあるコンセンサスアルゴリズムです。
なぜなら、多く持つ人に投票権を託すことで、間接的にブロックの生成に関与できるからです。
これによって、PoSよりさらに、取引承認や送金が早く済む利点もあります。

テゾスのブロック生成は「ベーキング」といい、ベーキングする人を「ベイカー」と呼びます。
ベイカーになるには、8,000XTZ(2021年9月のレートで約584万円)の保有が必要です。
生成に成功した人は、報酬としてテゾスが貰え、合わせて協力したノードにも支払われます。
また、投票権を託した人にも、手数料が差し引かれた上で報酬が貰えるようになっています。

独自のスマートコントラクトを採用

また、ブロックチェーン上で契約を自動実行させる仕組みである「スマートコントラクト」も、独自のものを採用しています。
スマートコントラクトは、第三者を介することなく自動で契約を履行できるため、時間とコストを削減できますが、エラーやバグが見つかったとしても、理論上、契約内容の修正が不可能という欠点を抱えています。

そこでテゾスは、バグや不具合が発生し難い「OCaml(オーキャムル)」という、安全性の検証が容易なプログラミング言語を使っています。
また、数学的な視点から契約内容の正当性を検証できる「フォーマル・ベリフィケーション(Formal Verification)」を導入し、エラーや不正アクセスのリスクを抑えているのです。
この2つによってテゾスは、他の仮想通貨よりも安心して利用できるとアピールしています。

ハードフォークが発生しない

仕様変更に伴って仮想通貨やブロックチェーンが分岐することを、ハードフォークと呼びます。
ハードフォークが実施されると、従来の通貨とは互換性がなくなり、新通貨が生まれます。

ビットコインも今まで、ビットコインキャッシュ(BitcoinCash/BCH)などへのハードフォークがありました。
ハードフォークが起きるとユーザーが分散しますので、手数料高騰や速度の遅延といったスケーラビリティ問題を解決できるという利点がある反面、分裂元の通貨の価値が下がってしまうリスク、そして前後で価格が乱高下して信用が揺らぐといったデメリットがあります。

しかしテゾスは、分裂してできた新しい通貨に対しても、互換性を保てる構造であるため、システムがアップデートしてもハードフォークは発生しません。

テゾスの将来性

テゾスは2020年より、フランスの中央銀行デジタル通貨(CBDC)の実証実験に採用されました。
まだ実験段階ですが、中央銀行によってテゾスのブロックチェーン技術が正式採用となれば、地位の向上が期待できます。

またテゾスは、2021年のアップグレードによって、取引時間の短縮と、GASと呼ばれる送金手数料の削減が実現されています。

さらに、ブロックチェーンを使って偽造不可能にしたデジタル資産「NFT」は、著名人が参加したことで昨今盛り上がりを見せていますが、現在はイーサリアムを使ったものが大半です。
しかし、2021年にテゾスは、レッドブル・レーシングと提携して、ファン向けのNFTの提供が検討されています。
マクラーレン・レーシングも、テゾス上でNFTプラットフォームを構築する予定です。

持続性が重視されたテゾスのブロックチェーンは一定の評価がありますので、今後もサービスを展開する基盤として選ばれるケースが、増えていく可能性があります。

まとめ

以上、テゾスの概要や独自の特徴、そして将来性について詳しく解説しました。
他のブロックチェーンとは異なる利点を持ち、将来性も期待されているテゾスですが、まだマイナーなため価格は低く、手ごろに買える仮想通貨だと言えます。
国内の取引所で入手が可能ですので、一度検討されてみてはいかがでしょうか。

参考文献

テゾス | あたらしい経済

GMOコイン:テゾス(XTZ)とは | ビットコイン・暗号資産(仮想通貨)ならGMOコイン

テゾス(Tezos/XTZ)とは?特徴と今後の予想・見通しを解説 | InvestNavi(インヴェストナビ)

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