ソラナ(Solana)とは?イーサリアムキラーと呼ばれる仮想通貨の特徴や将来性を解説。

by AIGRAM

仮想通貨「ソラナ(Solana/SOL)」は、アルトコインの王様であるイーサリアムの牙城を崩すと期待されているコインです。わずか1年半で700倍に成長したソラナの概要や主な特徴、そして将来性について詳しく解説します。

目次

はじめに

ビットコイン(Bitcoin/BTC)以外の仮想通貨を、一般的には「アルトコイン」と呼びます。
長年、アルトコインの王様としてイーサリアム(Ethereum/ETH)が君臨していました。
ところが2021年、その牙城を崩す画期的なコイン「ソラナ(Solana/SOL)」が登場し、一気にその差を縮めています。
この記事では、ソラナの概要と主な特徴、そして将来性について、詳しく解説します。

急成長を遂げ、イーサリアムに迫るソラナ

スマートコントラクトの構築や、分散型アプリケーション「dApps」を開発するプラットフォームとしては、イーサリアム一強の時代が続いています。
そこに、イーサリアムキラーとして名乗りを上げたのが、2020年に誕生したソラナです。
公開から1年半という短期間で、その価値を約700倍まで高めており、2022年1月現在で時価総額5位という、驚異の成長を遂げました。

スイス生まれのソラナ

ソラナのブロックチェーンは2020年3月、スイスのジュネーブに拠点を置くソラナ財団によって公開されました。
共同創業者の1人、アナトリー・ヤコベンコ氏は、携帯電話のSoCを製造するクアルコム(Qualcomm)社や、オンラインストレージサービスのドロップボックス(Dropbox)社でシステムエンジニアを経験。
その後、クアルコム社の元同僚とともに、このソラナプロジェクトを手掛けています。

次世代のイーサリアムキラー

その特徴は、処理速度の圧倒的な速さと、取引コストの安さであり、ヤコベンコ氏が開発したコンセンサスアルゴリズム「プルーフ・オブ・ヒストリー(PoH)」によって実現しました。
その優秀さから、これまでイーサリアムで展開していたdAppsやDEX(分散型取引所)、音楽サービスなどが相次いでソラナへの移行を発表しています。
故に、イーサリアムキラーと呼ばれているのです。

なお、ソラナとはブロックチェーンの総称であり、ネットワーク上においては、基軸通貨としてSOL(ソル)というコインが流通しています。

2022年1月現在、ソラナは1SOL=16,400円前後で取り引きされており、時価総額は約5兆1,000億円、仮想通貨の市場ランキングでは第5位の規模を保持しています。

圧倒的なトランザクション処理能力

ソラナは他の仮想通貨と比較して、トランザクションの処理速度が圧倒的に速い点が特徴です。

50,000件/秒という驚異の処理能力

1秒あたりの処理件数で測ると、ビットコインが6~7件/秒、比較的高速なリップルでも4,000件/秒ですが、ソラナはなんと50,000件/秒という速さ。
また、取り引きによるコストも安く、トランザクション手数料がビットコインが15ドル、リップルでも0.0004ドルかかるところ、ソラナは0.00005ドルで済みます(2021年5月現在)。

ビットコインやイーサリアムは以前から、取引件数の増大によって、承認が遅延したり手数料が高騰したりするスケーラビリティ問題に悩まされていますが、ソラナは、これらとは比較にならないほどの圧倒的な環境を実現しているのです。

レイヤー2を使わず高速化

また、イーサリアムではスケーラビリティ問題の解決策の1つとして「レイヤー2」という、ブロックチェーンの外側で取引できる技術を採用しています。
ところがソラナはトランザクションの処理速度が速いため、ブロックチェーン本体である「レイヤー1」のみで全ての処理を済ませてしまうことが可能です。
これによって、取引手数料も大幅に圧縮できるという利点もあります。

画期的な承認システム「プルーフ・オブ・ヒストリー」

ソラナは、独自のコンセンサスアルゴリズム「プルーフ・オブ・ヒストリー(PoH)」を採用しています。

PoWやPoSには欠点がある

ビットコインが採用する「プルーフ・オブ・ワーク(PoW)」は、高いセキュリティを実現していますが、マイナーによる計算競争が激化しており、現在では化石燃料に依存していると問題視されています。
アルトコインの王様、イーサリアムも同じPoWを採用していましたが、2022年に「プルーフ・オブ・ステーク(PoS)」への移行を予定。
PoSは、その通貨を多く、そして長く保有する人に新しいブロックを生成する権限が与えられるシステムであり、消費電力量や手数料コストを大幅に抑えることが可能となります。
ヤコベンコ氏はPoSを支持する一方で、「パワーに物を言わせてトランザクションの結果を変えてしまえる可能性は完全に拭えず、まだ十分ではない」として、PoHを開発しました。

桁違いのトランザクション性能を実現するPoH

PoWやPoSではブロックを生成する際、本当につなげていいのかどうかを確認するため、他のノードとコミュニケーションする必要があり、これにかかる通信時間がボトルネックでした。

しかしPoHでは、トランザクションを承認する際にノード同士のやり取りが発生しません。
ソラナでは、プラットフォームの同期時計を使って各トランザクションにタイムスタンプが与えられます。
ブロックチェーン上に記録されるトランザクションの順番は、このタイムスタンプによって自動で決定されるため、ノード間によるリアルタイム通信が不要となり、その通信性能がボトルネックになりません。
これまでのブロックチェーンとは全く異なるPoHというアプローチで、ソラナは桁違いのトランザクション性能を実現したのです。
開発者のヤコベンコ氏は、「このシステムの限界は、基本的には光の速さとなる」と主張しています。

機能拡張によって、将来性が期待されるソラナ

ソラナは、他のブロックチェーンと連携できる、インターオペラビリティ(相互運用性)にも取り組んでいます。

ブリッジ機能「Warmhole」

実は、ブロックチェーン同士は互換性がなく、一般に広くブロックチェーン技術が使われるようになるには相互での連携が課題でした。
ソラナは既に「Warmhole」と呼ばれるブリッジ機能を実装しており、イーサリアムとの連携が可能です。
さらに、他のブロックチェーンとのブリッジ機能の構築にも取り組んでいます。

イーサリアムからの移行が相次ぐ

分散型取引所である「SushiSwap」や、「Audius」という音楽プロジェクト、そして数々のdAppsが、相次いでその基盤をイーサリアムからソラナに移行しています。
ソラナのブロックチェーン上では、唯一無二のデジタルデータである非代替性トークン「NFT(非代替性トークン/Non-Fungible Token)」への参入も始まっており、非常に将来性が期待できます。

これだけの注目を集めるソラナですが、残念ながら国内の取引所による取り扱いはありません。
入手には、海外の取引所に別の仮想通貨を送金する必要があります。

まとめ

ソラナは2021年に急成長を遂げ、仮想通貨ランキング5位の規模を持つ仮想通貨です。
イーサリアムキラーと呼ばれるソラナは、独自の承認システム「PoH」によって、圧倒的なトランザクション処理能力を持っています。
イーサリアムを基盤として運営されていたdAppsやDEXが、相次いでソラナへの移行を発表しており、NFTの取り扱いも始まったことから、その将来性は非常に期待されています。
今後もますます目が離せないコインでしょう。

参考文献

仮想通貨SOL(ソル)/Solana(ソラナ)とは?特徴と将来性・今後の予想を解説

イーサリアムよりはるかに高速だと主張するトップ暗号資産投資家たちに人気のブロックチェーンプラットフォーム「Solana」

仮想通貨SOL(ソル)・Solana(ソラナ)とは?特徴や今後の見通し/価格予想・将来性を徹底解説
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