Ripple(リップル/XRP)とは?国際送金に特化した仮想通貨を解説
インターネットによって、情報は国境を超え、自由に行き来するようになりました。
しかし国際送金については、現在も数十年前につくられた古いシステムによって、高い手数料と膨大な時間をかけ行われています。
この仕組みを、分散型ネットワークを用いて変えていこうとしている、新たなソリューションがあります。
それが、仮想通貨「リップル(Ripple/XRP)」です。
この記事では、リップルの概要や特徴、利点について詳しく解説します。
目次
リップルは国際間送金に特化した仮想通貨
リップル(Ripple/XRP)は、銀行間のオンライン送金に特化した仮想通貨です。
2012年に設立された、アメリカのリップル社によってつくられました。
同社が開発した、銀行間の国際送金プラットフォーム「RippleNet」上において使用される仮想通貨であり、単位はXRPが使われます。
その名称ですが、正確には決済システムの名前が「リップル」であり、取引所においてもリップルではなく「XRP」で表記されていますので、注意が必要です。
各国の金融ネットワークは、スタンドアロンで互いに閉じている構造で、インターネットが広く普及した現在においても、ネットワーク間のやり取りは容易ではありません。
XRPは、通貨と通貨をつなぐ役割を果たすことで、異なる法定通貨同士の取り引きを円滑にしており、RippleNetを利用すれば、海外の銀行であっても各々の通貨で取引ができます。
そのため、世界における多くの金融機関が、リップルを採用しているのです。
またリップルは、中央の管理者がいない他の仮想通貨とは異なり、民間企業のリップル社が中心となる、中央集権的な管理体制を敷いていることが大きな特徴です。
さらに、リップルの発行上限は1,000億枚と、他のコインと比べて非常に多く、全てのコインが発行済であるため、マイニングの概念はありません。
リップルの時価総額は、2021年9月時点で5兆5,290億円の規模であり、仮想通貨の市場ランキングでは第7位につけています。
なお、仮想通貨バブルとなった2018年初頭は一時、422円をつけていたリップルでしたが、現在は120円前後に落ち着いています。
なおリップルは、国内の取引所で購入が可能です。
国際決済をスムーズにするリップル
リップルがつくられた目的は、国際送金のスピード化とコストダウンです。
現在、国際間の送金は、コルレス銀行(大きな銀行)とSWIFT(国際銀行間通信協会)という、数十年前に作られた非効率な仕組みで行われています。
日本国内の銀行間における送金であれば、中央銀行と全銀ネットなどのネットワークで結び、日本円で決済が可能です。
しかし、各国の金融ネットワークは閉じたものであり、中央銀行にあたる機関もなく、シームレスにつながっていません。
そこで国際送金においては、海外のコルレス銀行に口座を開き、お互いの通貨で支払っているのです。
そして、コルレス銀行間の送金データをやり取りするネットワークが「SWIFT」であり、あらゆる国際決済が、SWIFTを通じて行われます。
しかし、世界にはコルレス契約を結んでいない銀行もありますので、それらの銀行同士では各々の間に中継銀行が入り、バケツリレーのような取り引きになるのです。
そのため、国際間の送金は数日から数週間かかる上、信頼性も低く、時にはエラーで返ってくることすらあります。
そして、コルレス銀行を経由する度に手数料がかかるため、トータルの送金手数料も高くなります。
そこに中継銀行が入れば、手数料はさらにかさんでしまうのです。
この問題を解決するため、リップルは「RippleNet」を使って金融機関の間に入り、スピーディかつリーズナブルに送金できる仕組みを提供しています。
リップルの3つの利点
ここからは、具体的なリップルの利点を見ていきましょう。
1)スピーディな国際送金が可能
ビットコイン(Bitcoin/BTC)での送金は、10~40分の時間が必要となります。
しかしリップルでは、約3秒で送金が完了します。
ビットコインのコンセンサスアルゴリズムである「プルーフ・オブ・ワーク(PoW)」は、不特定多数が計算を競争するため、承認までに時間がかかってしまいます。
一方のリップルでは、コンセンサスアルゴリズムに独自の「プルーフ・オブ・コンセンサス(PoC)」を採用しており、取り引きの承認は、リップル社が指定する「バリデーター」と呼ばれるノードが実施します。
PoCによる承認はビットコインのように開かれておらず、誰でも参加はできませんので、中央集権的だと批判もあります。
しかし、限定されたバリデーターが承認作業を担うため、非常に早い処理スピードを実現しているのです。
2)リーズナブルでシンプルな送金が可能
海外に送金をする際は、前述の通りコルレス銀行や中継銀行を経由する必要があるため、数万円の送金に数千円の手数料が発生することもザラにあります。
また、コルレス銀行が休業の時は、送金手続きは止まってしまいます。
しかしリップルは、365日・24時間の対応が可能で、そのルートも「自国通貨」→「リップル」→「相手国通貨」と、非常にシンプルです。
これによって、手数料は数円と圧倒的に安く、そして確実な国際送金を実現しています。
また、リップルは「ブリッジ機能」を備え、法定通貨だけではなく、他の仮想通貨とも換金できるという特徴もあります。
3)世界中の金融機関と提携
リップル社が運営する「RippleNet」には現在、世界の40を超える国より300以上の金融機関が参加しています。
大きなところではアメリカン・エキスプレス、日本においても「みずほ銀行」や「三菱UFJ銀行」そして「SBIホールディングス」など、ネームバリューのある金融機関が参加しています。
これほどまでの提携数を持つ仮想通貨は、リップル以外には存在しません。
また、大企業が認めているという安心感があり、これがリップルの人気にもつながっています。
まとめ
以上、リップルの概要や特徴、利点について詳しく解説しました。
国際送金の仕組みを変えてしまう、画期的な仮想通貨であり、また多くの名だたる金融機関が参加しているリップル。
さらなるグローバル化が進むことで、より一層、需要が高まる予測もありますので、今後も注目すべき仮想通貨だと言えるでしょう。
参考文献
仮想通貨リップル(XRP)の今後がやばい|専門家が2021年〜2025年以降の価格を予想! | マネーR
リップル( XRP)とは 解説・特徴・詳細 | ビットバンク
リップルの挑戦で送金手数料ゼロは実現するか? 世界でも国際送金手数料の高い国、日本(1/4 ページ) - ITmedia ビジネスオンライン
リップル(XRP)とは?初心者向けに特徴やメリット、今後の動向を簡単解説! | Coincheck(コインチェック)
リップル(XRP)の今後は?2021年の最新情報と過去の価格推移から将来性を解説! | Coincheck(コインチェック)
リップル(Ripple/XRP)とは?今後や将来性を詳しく解説 - DMMビットコイン
2021年のリップル(XRP)はどうなる?2020年のまとめで振り返る - DMMビットコイン
リップルの国際会議Swellとは?XRP価格は今年も下落? - DMMビットコイン
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リップルの挑戦で送金手数料ゼロは実現するか? 世界でも国際送金手数料の高い国、日本(1/4 ページ) - ITmedia ビジネスオンライン