仮想通貨ポリゴン(Polygon)とは?誕生の目的とその特徴を解説

by AIGRAM

近年、仮想通貨が需要を拡大させるにつれ、ブロックチェーンの処理遅延と手数料の高騰が、問題として表面化しています。

イーサリアムにおいても、この問題は顕著にあらわれており、解決する手段の1つとして、ブロックチェーンの外側に構築された「ポリゴン」プロジェクトに注目が集まりました。

この記事では、仮想通貨「ポリゴン」について、誕生の目的と特徴、今後の展開予測を詳しく解説します。

目次

ポリゴン(Polygon)とは?

2017年、イーサリアム(Ethereum/ETH)において、ブロックチェーン上の問題を解決するために立ち上がったプロジェクトがあります。

このプロジェクトは当時、マティック(MATIC)と呼ばれていました。

マティックは、イーサリアムにおけるメインのブロックチェーンの外側、セカンドレイヤー(レイヤー2)に構築されたシステムです。

当初は、後述する「スケーラビリティ問題」の解決を目指し、2020年6月にメインネットへ公開されたマティックでしたが、総合的なプラットフォームへ変化することになり、2021年2月「ポリゴン(Polygon/MATIC)」と名称を変更。

現在では、DeFi関連のプロジェクトにも幅広く活用されるようになるなど、プロジェクトが目指すゴールは拡大しています。

なお、ポリゴンにリブランディングされたものの、「MATIC」は発行するトークンの単位として、そのまま使用されています。

ポリゴンの時価総額は2021年8月現在、1兆310億円で、仮想通貨の市場において、世界第18位の規模まで発展を遂げました。

トークンの発行上限が100億MATICと決まっているボリゴンは現在、その半分ほどの量が供給されています。

スケーラビリティの解消

ビットコイン(Bitcoin/BTC)やイーサリアムでは、1つ1つのブロックの中に書き込める、取り引きデータの量は制限されています。

そして、ブロックの容量がいっぱいになるほどのデータが書き込まれると、処理が追いつかなくなり、処理の遅延や手数料の高騰といった問題が発生してしまうのです。

この、ブロックチェーンが混雑してマイニングに時間がかかってしまう問題を「スケーラビリティ問題」と呼びます。

クレジットカードブランド、VISAのシステムは、1秒間に約1,700件もの取り引きが可能です。

一方、プルーフ・オブ・ワーク(PoW)を採用している仮想通貨では、取り引きの結果が出るまでに多くの計算が必要で、ビットコインは1秒間で5~10件ほど、イーサリアムでも同15件しか処理できません。

2017年12月に仮想通貨が高騰した際、激しい価格の上下が起き、それに対応しようと取り引きが殺到。

この時、ビットコインやイーサリアムでは、混雑によって手数料が高騰し、スケーラビリティ問題が表面化しました。

また2020年には、イーサリアムをベースにして構築されたDeFi(ディーファイ/分散型金融)が注目を集め、問題がより一層、深刻化しています。

その結果、ブロックチェーンの外側で一部の計算を処理させる「セカンドレイヤー技術」の需要が高まり、同技術を使っているポリゴンに注目が集まったのです。

途中の計算をブロックチェーンの外部で行い、最終的な結果だけを本体に戻すことで、メインのブロックチェーンに負荷をかけることなく、高速な処理が可能となる仕組みです。

ただイーサリアムは、より処理が軽いとされる「プルーフ・オブ・ステーク(PoS)」への移行が2021年中に予定しており、スケーラビリティ問題は解消する見通しとなっています。

イーサリアムとの橋渡しをするポリゴン

ポリゴンにおけるもう1つの特徴は、イーサリアムとの互換性です。

つまり、イーサリアムのネットワーク上で構築されたシステムを、ポリゴン上で使い回すことができるのです。

この互換性機能を「ブリッジ」と呼びます。

分散型で処理速度が遅いイーサリアムと、処理が早く中央集権型であるポリゴンを「橋渡し」すうことで、容易なブロックチェーンの開発が可能となります。

異例の時価総額上昇を見せたポリゴン

ポリゴンは、上場した2020年は特に注目されず、価格も2円ほどで推移していました。

しかし2021年に入ってから、イーサリアムのスケーラビリティ問題を解決できることが判明したため、価格が急上昇していきます。

2021年3月には30円、同年4月には90円、そして5月には270円を超えました。

5月は、ビットコインやイーサリアムなどの主要銘柄が値を下げていましたが、その中でポリゴンは逆に、その価値を2倍に伸ばしています。

わずかな期間で、実に100倍以上の値上がりを見せたポリゴン。

スケーラビリティ問題の解決策として、期待が高まっていることが分かります。

なお、2021年8月現在は、少し落ち着きを取り戻しており、160円前後で推移しています。

今後、伸長していくであろうDeFiサービス。

その多くと提携しているポリゴンは、DeFiとの相乗効果もあって、堅調に推移していくのではないかと、多くの専門家は予測しています。

ただ、仮想通貨に絶対はありませんので、その点は注意が必要です。

また、ポリゴンは、日本の取引所では取り扱いはありません。

一旦、国内の取引所でビットコインなどの仮想通貨を購入した上で、それをBinanceなど、海外の取引所に送金して購入する必要があります。

まとめ

以上、仮想通貨「ポリゴン」について、誕生の目的と特徴、今後の展開予測を、詳しく解説しました。

イーサリアムの混雑と手数料の高騰を解消するためにつくられたポリゴンは、今後、DeFiとの相乗効果で、さらに上昇していくと予想されていることが分かりましたね。

国内での取り扱いはありませんが、時価総額2位のイーサリアムとの橋渡しも期待されており、今後も注目すべき仮想通貨でしょう。

参考サイト

【2021年】仮想通貨Polygon(MATIC)の購入方法・買い方は?1,000〜5,000円まであがる?将来性とおすすめ取引所を解説

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