ネム(NEM)とは?日本で根強い人気を持つ仮想通貨を解説

by AIGRAM

2009年にビットコイン(Bitcoin/BTC)が誕生して10年が過ぎ、その間には数々の仮想通貨が登場しました。

仮想通貨の中では、コミュニティが形成されて、支持者が熱心に活動しているものもあります。

そして今回紹介する、独自の技術や仕組みを備えた「ネム(NEM/XEM)」も、2015年生まれと歴史は浅いものの、根強いファンが付くコインです。

この記事では、ネムの作られた経緯やオリジナル要素、そして今後の展開について、詳しく解説します。

目次

新しい経済圏の構築を目指すネム(NEM/XEM)

ネム(NEM/XEM)は、2015年に公開された、比較的新しい仮想通貨です。

NEMとは、New Economy Movement(新しい経済活動)の略称。

中央集権型のシステムからの脱却と、「分散型プラットフォーム」の構築によって、自由や平等主義の原則に基づいた、新しい経済圏をつくることを目指しています。

なお、「ネム」とはプラットフォームの名前であり、その中においては「ゼム(XEM)」という単位のトークンが使われています。

しかし、一般的にはトークンも「ネム」と呼ばれ、取引されています。

2017年には、シンガポールでNEM財団が設立(現在はNEMグループ株式会社に統合)。

日本でも翌年に、非営利の団体「一般社団法人NEM JAPAN」が立ち上がりました。

同団体は、NEMブロックチェーンの普及を目指して、勉強会やコンサルティングを手掛けています。

ネムの時価総額は、2021年8月現在、約1,920億円。

仮想通貨の市場において、世界第66位につけています。

独自の承認方式と、貢献者への報酬

ネムは、独自のアルゴリズムである「プルーフ・オブ・インポータンス(PoI)」を、承認方式として採用しているのが特徴です。

簡単にいうと、ネムのネットワークをより多く使う人が報酬を得る仕組み。

その「ユーザーの重要度」は、ネムの保有数や取引の回数などで算出される、PoIスコアによって決定されます。

カルダノ(Cardano/ADA)が採用する「プルーフ・オブ・ステーク(PoS)」に似ていますが、ネットワーク貢献度が加味されているため、単に大量保有しているユーザーが有利とは限りません。

また、ビットコインなどが採用する「プルーフ・オブ・ワーク(PoW)」は、高価なマイニング(発掘)専用マシンを多数用意できる企業だけが、報酬を独占できてしまいます。

そもそもネムは、上限である90億コインを既に発行しているため、マイニング自体がなく、新規発行もされません。

ネットワーク貢献者への報酬は「ハーベスティング(収穫)」で分配されます。

一定の条件を満たせば全員が参加できるハーベスティングは、平等主義を尊重するネムならではの仕組みであり、この方式によって報酬は公平に配られるのです。

さらにPoIは、大量の電力を消費するPoWより、エコなシステムとして注目を集める承認方式でもあります。

ブロックチェーンに新しいブロックが加わるまでの時間、すなわち決済時間も「1分」と短く、ビットコインの約10分と比べてスピーディなこと、そしてセキュリティのレベルが非常に高く安全に利用できるのも、ネムの特徴です。

ネムのこれまでの推移

上場以降、2017年1月までは、1XEM=1円未満で取引されていました。

ところが、同年の仮想通貨バブルによって、翌年1月には211円の値が付きます。

2018年には、日本に本社を置いていたコインチェック社から、ハッカーの手によって580億円相当のネムが流出した事件が大体的に報道され、一躍有名となりました。

しかし、この事件の影響で、当時200円を付けていたネムの価格は暴落。

同年3月には23円、そして11月には10円を割り込みます。

2020年に入ると、アメリカが新型コロナウイルス感染症拡大の影響によって急速に落ち込んだ経済を立て直すため、大量の法定通貨を市場に投入するという大規模な金融融和策を実施。

インフレが懸念される中で、発行の上限が決まっている仮想通貨に注目が集まります。

この流れで、ネムも価格を持ち直しました。

さまざまな経緯を経て2021年8月現在は、20円前後で推移しています。

ネムの将来性と今後の展開

ネムは、コミュニティの活動が活発な仮想通貨です。

コミュニティの参加者はネムを積極的に宣伝しており、決済手段としてネムを使えるお店も登場しています。

2020年には、ネムの普及に貢献するマーケティングを行ったコミュニティに報酬が支払われるプラットホーム「NEM HUB(ネム・ハブ)」も公開されました。

ネムは2020年、ブランド名を「シンボル(Symbol)」とすることを公式に発表。

2021年には、正式にシンボルのネットワークが稼働を開始し、仮想通貨としてのこれまでの名称「ゼム(XEM)」も「ジム(XYM)」に改められました。

この際、ゼムの保有者に対して、ジムが付与されています。

このシンボルは、中東カタールで開かれる「FIFAワールドカップ2022」において、改ざん不可能な工程管理ツールとしてそのプラットフォームの利用を予定。

ホテルの建設プロジェクトで活用されます。

また、ネムのプラットフォームでは、専門的な開発をしなくても、独自のトークンやアプリケーションの構築が可能です。

独自トークンを作ることで、新しいプロジェクトで使われるトークンと引き換えに、ICOと呼ばれる「資金調達」が可能となります。

企業やグループだけではなく、個人でもICOができるように設計されており、これは、ネムの珍しい特徴でもあります。

ネムのプラットフォームでつくられたアプリの需要が拡大したり、ネムを利用したICOが活発化したりすれば、ネムの価値も上がっていくでしょう。

さらにネムでは、日本の企業が開発を手掛ける「mijin」というプロジェクトがあり、そこでは、誰でもブロックチェーン技術を使えるような、プラットフォームの構築を目指しています。

すでに、400を超える国内外の企業が参加していますので、こちらも拡大していけば、ネムの価値上昇につながっていくものと思われます。

なおネムは、国内の取引所で購入が可能です。

まとめ

以上、ネムの作られた経緯やオリジナル要素、そして今後の展開について、詳しく解説しました。

ネムは、独自の承認方式や貢献者への報酬制度を持っており、コミュニティが活発でファンも多い仮想通貨ということが分かりましたね。

プラットフォームが公的にも利用され、将来性が期待できる仮想通貨ですので、今後も注目していきましょう。

参考サイト

ネム(XEM/NEM)の今後・将来性は?シンボル(XYM)の動向や価格予想まで解説!

暗号資産(仮想通貨)取引の用語集/XEM(ネム)

仮想通貨ネム/NEM(XEM)とは?今後の将来性・チャートと価格予想・最新ニュースまとめ

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