メイドセーフコイン(MaidSafeCoin)とは?GAFAの支配を打ち破り、分散型インターネットを目指すプラットフォームを解説。

by AIGRAM

現在、主なインターネットサービスは、GAFAなどの巨大IT企業にその市場を独占されています。
しかし、P2P技術を応用した分散型ネットワークサービスの登場が、この現状を打ち破ることになるのではと、非常に期待されるようになりました。
「メイドセーフコイン(MaidSafeCoin/MAID)」も、分散型インターネットの実現を目標としたプラットフォームの1つです。
この記事では、メイドセーフコインの概要や主な特徴、そして今後の動きについて、詳しく解説します。

目次

P2Pで余剰リソースをシェアするメイドセーフコイン

2014年に公開されたメイドセーフコインは、世界に点在する個人コンピュータ1台1台の余剰リソースを、P2P技術を用いてシェアするプラットフォームです。
発行上限は40億枚であり、イギリスに本社を置くメイドセーフ社によって運営されています。
2014年のICO(トークンセール)では、5時間で約6億円を調達するほどの人気を見せ、高い期待が寄せられました。

一般的なネットワークサービスにおいては、データや機能を提供するサーバー側と、それを利用するクライアント側に役割が分かれます。
しかしP2P方式では、それぞれのコンピュータで役割が分かれることはなく、対等な関係で接続されており、お互いに機能やデータを補っているのです。

メイドセーフコインのプラットフォームは、このP2P技術によって分散型ネットワークサービスを提供する点に大きな特徴があります。
P2P技術を利用して、世界中のコンピュータからCPUの演算能力やHDD容量、帯域幅などのリソースを借り受けることで、中央集権的なサービスに依存せずとも、複雑な計算が必要なアプリケーションを動かしたり、巨大なサイズのデータを保管したりといった機能が実現できるのです。

2021年12月現在、メイドセーフコインは1MAID=50円前後で取り引きされており、時価総額は約240億円、仮想通貨の市場ランキングでは第326位の規模を保持しています。

ファーミングで成り立つメイドセーフコイン

そもそも、個々で稼働しているコンピュータは、全てのリソースを使い切っているわけではありません。
また、複雑な演算や重いアプリケーションの動作、そして大容量データの保存には、大規模なコンピュータシステムが必要ですが、膨大なコストがかかってしまいうため、個人での用意は難しいのが現状です。
しかしメイドセーフコインを使えば、コンピュータを稼働させている人は余剰リソースを提供して報酬が得られますし、大規模なシステムを求める人は膨大な投資をすることなく、安価にリソースを利用できます。

メイドセーフコインのコンセンサスアルゴリズムは「プルーフ・オブ・リソース(PoR)」という、珍しい承認形式を採用しています。
ビットコイン(Bitcoin/BTC)などの一般的な仮想通貨は、取引の承認作業を担ってブロックチェーンを支えることで報酬を獲得する「マイニング」が行われています。
一方のPoRは、CPUの演算能力やディスクの保存領域を、より多く貸し出した人が報酬を得ることができる「ファーミング(耕作)」という仕組みです。
つまりメイドセーフコインは、リソースを提供する人がいることで成り立っています。

GAFAを打ち破る分散型ネットワークサービス

メイドセーフコインは、余剰リソースのシェアにとどまらず、分散型インターネットサービスの構築を目指しています。

ポータルサイトやブログをはじめ、ツイッターやインスタグラムなどのSNSは、企業の「サーバー」によって提供されており、中央集権的なサービスと言えます。
これらのサービスは、利用の集中でサーバーに負荷がかかりサービスが停止したり、企業の都合によってサービス自体が終了したりすることがあります。
また、GAFA(Google、Amazon、Facebook、Apple)と呼ばれる4社の巨大IT企業は、個人データを取り扱うことで成功したビジネスモデルです。
たった4社という少数の企業でデジタル市場が独占されており、競争を阻害していると世界中で問題視されています。

しかし、P2P技術を使えばユーザー同士で端末を接続してデータを共有するため、企業が提供する中央サーバーが必要ありません。
メイドセーフコインは、P2P技術によってリソースを共有することで、このようなサーバーが不要な分散型インターネットサービスの構築を目指しているのです。
分散型ネットワークサービスが一般に浸透すれば、将来、巨大IT企業の支配が無くなるかもしれません。
メイドセーフコインは、彼らを打ち破ることができる新しいサービスとして、非常に期待されています。

なお、CPUのリソースを共有する分散型計算機ネットワークとしては「ゴーレム(Golem/GLM)」が、分散型クラウドストレージサービスを実現するプラットフォームとしては「ストージ(Storj/STORJ)」が存在しますが、メイドセーフコインはそのどちらも提供が可能であり、機能的には有利です。

高いセキュリティも実現

セキュリティの観点からも、分散型ネットワークには多くのメリットがあります。
基本的なインターネットサービスでは、ユーザーのデータは、企業のサーバーにまとめて保管されています。
そのため、ハッカーによるハッキングが発生すると、個人データが盗まれてしまう危険性があるのです。

しかし分散型ネットワークでは、保存されたデータは暗号化が施され、さらに断片化して複数のコンピュータに分散されます。
そしてデータは、秘密鍵を知る本人のみが取り出せる仕組みです。
また分散型ネットワークでは、1つのコンピュータに障害が発生しても、データは別のコンピュータで補完されます。
さらに、断片化されたデータはそれ1つではなんの意味もなさず、ハッカーはおろか、リソースを提供しているユーザーでも、他人のデータを覗き見ることはできません。

このようにさまざまな利点があるメイドセーフコインですが、残念ながら日本の取引所には上場していません。
入手には、取り扱いのある海外の取引所へ、他の仮想通貨を送金する必要があります。

まとめ

以上、メイドセーフコインの概要や主な特徴、そして今後の動きについて、詳しく解説しました。

ストレージだけではなく、さまざまなリソースを共有できるメイドセーフコインは、GoogleやFacebookなど、巨大IT企業による中央集権的なサービスからの脱却を目指しています。
一方で、そのGoogleやFacebookも、ブロックチェーンに参入してきているのです。
今後はブロックチェーンの覇権争いの激化が予想され、メイドセーフコインも否応なしに巻き込まれていくことになるでしょう。

参考文献

MaidSafeCoin(メイドセーフコイン)とは?特徴や将来性、購入できる取引所を調査

メイドセーフコイン / MaidSafeCoin (MAID) とは?

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