ライトコイン(Litecoin)とは?長い歴史を持ち、実用性に長けた仮想通貨を解説
2009年にビットコイン(Bitcoin/BTC)が誕生して、仮想通貨の歴史が始まりました。
しかし、ビットコインはトランザクションの処理速度など、実用面での問題を抱えています。
そこで、より使いやすい仮想通貨を目指して開発されたのが、ビットコインに次いで長い歴史を持つ、ライトコイン(Litecoin/LTC)です。
この記事では、ライトコインの概要と特徴、今後の将来性について、詳しく解説します。
目次
ライトコインとは
ライトコインは、Googleの元エンジニアであるチャーリー・リー氏によって、ビットコインの軽量版として開発された仮想通貨です。
2011年10月に公開され運用がスタートし、ビットコインと並んで古くから使われています。
開発者のチャーリー・リー氏が「ビットコインはゴールド、ライトコインはシルバー」と表現するように、ビットコインとは異なり、決済通貨として実際に利用されるように設計されました。
ビットコインの技術を元に開発されたため、基本的にはビットコインと同一の仕組みを持っており、コンセンサスアルゴリズムも、同じ「プルーフ・オブ・ワーク(PoW)」を採用しています。
なお、ライトコインは約4年ごとに半減期があり、これまでに2015年8月、2019年8月の2回を迎え、この前後には価格が大きく変動しました。
次の半減期は、2023年頃と予想されています。
ライトコインは非中央集権型の仮想通貨ですが、その開発は、チャーリー・リー氏が代表を務める「ライトコイン財団」が担っているため、実質的には中央集権なのでは、という指摘もあります。
ただし、同財団はマイニングには関与していません。
ライトコインの時価総額は2021年9月現在、1兆3,050億円の規模を誇り、仮想通貨の市場ランキングは第16位の位置につけています。
ライトコインの特徴
仮想通貨の多くには、価値を高める狙いで発行枚数に上限が設けられています。
ビットコインの発行上限は、2,100万枚です。
そして、ライトコインはその4倍、8,400万枚が設定されています。
また、ビットコインのブロック生成速度が約10分に対して、ライトコインは約2分30秒と処理速度が早いのも大きな特徴です。
これは、トランザクション(取引)情報圧縮技術「segwit(セグウィット)」の導入によって、高速決済が可能となっているため。
Segwitとは、取引情報を圧縮して1つ1つのデータをコンパクトにすることで、処理を高速化できるという技術であり、純国産の仮想通貨「モナコイン(MonaCoin/MONA)」が、2017年に世界で初めて実装しました。
ライトコインはこの処理速度を生かして日常の決済に特化し、高速で安全に決済できる仮想通貨を目指しています。
また、仮想通貨決済専門の総合通販サイト「ビットコインモール」は、2021年6月よりビットコインとモナコインに加えて、ライトコインでの支払いも可能にすると発表しました。
ビットコインモールはビットチェンジ株式会社によって運営されており、さまざまな家電や家具などの商品を仮想通貨のみで決済する、日本のECサイト。
国内においても、ライトコインは実際に行使できる仮想通貨と言えるでしょう。
ライトコインはさらに、環境負荷が少ない仮想通貨でもあります。
ビットコインの年間電力消費量は、2019年のノルウェーの年間消費量を上回るほどですが、ライトコインは、ビットコインと比べて38分の1と、非常に省電力で運営されています。
ライトコインの将来性
2020年10月、アメリカの決済大手「ペイパル(PayPal)」が、ビットコイン、イーサリアム(Ethereum/ETH)、ビットコインキャッシュ(BitcoinCash/BCH)とともに、ライトコインでの取引が利用できるようにすることを発表します。
すると発表後、ライトコインの価格は急騰しました。
このことから、ライトコインは決済手段として、非常に有望視されていることが分かります。
2021年3月には、ペイパルのライトコイン決済がアメリカでスタートしました。
日本は未対応ですが、サービスが開始された場合、決済手段として国内でもライトコインが普及していき、価格も上がっていくと予測されます。
また、ライトコインは今後、「MimbleWimble Extension Blocks(MWEB)」と呼ばれるアップデートが予定されています。
ミンブルウィンブル(Mimble Wimble)とは、「プルーフ・オブ・ワーク(PoW)」の改良型となるコンセンサスアルゴリズムであり、スケーラビリティの向上と、取引内容のプライバシーを保護する技術。
ライトコインは現在、ネット上においてウォレットのアドレスや残高などの個人情報が、誰でも閲覧できる状態となっていますが、ミンブルウィンブルの実装によって、各自の個人情報を非公開にするか否かを、ユーザー自身で選択できるようになります。
さらに、「ライトニングネットワーク」の導入によって、より処理が高速化されるという期待も高まっています。
ライトニングネットワークとは、ブロックチェーンの外で取引を行った上で、処理の結果のみをブロックチェーンに記録する仕組みです。
これによってブロックチェーンの負荷が軽減され、手数料も安く済むようになります。
ライトコインにおいては、2018年には既にライトニングネットワークの運用実験に成功していますので、本格的に導入されると気軽に少額決済ができるようになり、今まで以上に日常的な決済手段として利用される仮想通貨となるでしょう。
まとめ
以上、ライトコインの概要と特徴、今後の将来性について、詳しく解説しました。
ビットコインの欠点を補完し、実際に行使できる仮想通貨として開発されたライトコイン。
今後、小口の決済手段の主役となる可能性が高いため、将来性が見込めるコインと言えるでしょう。
参考文献
仮想通貨BATとは?今後の見通しや・予想、将来の価格を解説! | InvestNavi(インヴェストナビ)
ライトコイン(LTC)の今後の見通しや予測を徹底解説!将来の価格予想は? | InvestNavi(インヴェストナビ)
ビットコインより約1/38の消費電力「ライトコイン」での支払いがビットコインモールにて、6月8日より使用開始!|ビットチェンジ株式会社のプレスリリース
ライトコイン(LTC)とは?今後の将来性や価格高騰につながる最新ニュースを解説! | Coincheck(コインチェック)
ライトコインとは?特徴・仕組み・購入方法 | 仮想通貨(暗号資産)の比較・ランキングならHEDGE GUIDE
ライトコインとは?特徴・仕組み・歴史(LTC) | 【BITPoint】ビットポイント【BITPoint】暗号資産(仮想通貨)ビットコイン取引ならビットポイント
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