Ethereum(イーサリアム)とは?その概要と歴史、特徴を解説
仮想通貨において、名が知られているのは、やはり時価総額1位のビットコイン(Bitcoin/BTC)でしょう。
では現在、時価総額で2番手につける仮想通貨はご存じでしょうか?
答えは、イーサリアム(Ethereum/ETH)です。
イーサリアムは、ビットコインと同様にブロックチェーン技術を利用し、さらにスマートコントラクト(自動契約技術)を備えた仮想通貨として注目されています。
この記事では、イーサリアムについて、その概要や歴史、そして大きな特徴について、詳しく解説します。
目次
Ethereum(イーサリアム)とは
イーサリアムは、ビットコインに次いで有名な仮想通貨です。
仮想通貨において最も注目されるビットコインは、円やドルなどの法定通貨と同様、「決済」するための通貨として開発されました。
一方のイーサリアムとは、分散型アプリケーション(dApps)を開発する、プラットフォームとして発案されています。
ざっくりいうと、イーサリアムでアプリを作ることができる、ということです。
そして、イーサリアムの中で使われる通貨を、「イーサ(Ether/ETH)」と呼びます。
日本では、プラットフォームとしての「イーサリアム」と、イーサリアム内で使用される通貨としての「イーサ(ETH)」を、どちらも「イーサリアム」と呼称しています。
イーサリアムは2021年8月現在、時価総額は約41兆7,700億円で世界第2位。
1位につけるビットコインと比較して、2分の1弱の規模であり、3位のバイナンスコイン(Binance Coin/BNB)との差は6倍となっています。
イーサリアムの歴史
イーサリアムは、19歳の青年ヴィタリック・ブテリン氏によって開発されました。
2014年に開発がスタート、早くも同年7月にはプレセールを実施して資金を調達、2015年7月には正式にリリースされています。
順調に推移していたイーサリアムでしたが、2016年に「The DAO事件」が発生し、大量のイーサリアムがハッカーによって盗まれます。
この時、開発者コミュニティーは、ブロックチェーンを盗まれる前の時点から分岐させ、これを主流としてつないでいく措置を取りました。
そして、分岐元の通貨は「イーサリアムクラシック(EthereumClassic/ETC)」となり、小規模ですが現在も取引されています。
2017年には、日本でも「改正資金決済法」が施行され、仮想通貨は法的に明確化。
ビットコインやイーサリアムが大きく注目されることになり、価格も上昇します。
そして、仮想通貨元年となった同年、イーサリアムのスマートコントラクト機能をビジネスに活用しようと、「イーサリアム企業連合」が設立されました。
加盟している企業は、トヨタ自動車やマイクロソフト、三菱東京UFJなど、有名企業が名を連ねており、イーサリアムの今後の発展が期待されています。
この有名企業と提携しているという事実も、イーサリアムの信頼性の大きな担保となっているのです。
イーサリアムは、ブテリン氏が2014年に設立したイーサリアム財団を中心に、現在も開発が続けられています。
自動契約機能「スマートコントラクト」を実装
イーサリアムは、ビットコインにはない「スマートコントラクト」という、自動契約機能を実装している点が、大きな特徴です。
スマートコントラクト(スマートコントラクト/Smart Contract)とは、今までは手動で行ってきた契約について、その個々の内容を自動で記録する機能のこと。
例えば、自動販売機に決められた金額を入れると、商品が出てきて、自動で売買契約が成立しますよね。これもスマートコントラクトの一種と言えるでしょう。
ビットコインでは、ブロックチェーン上に「誰から誰にどれだけ支払った」という、取引履歴のみが記録されています。
イーサリアムではさらに、契約の条件確認や履行など、あらかじめ決められた手続きを人間を介さず自動で実行し、取引履歴はもちろん、契約の詳細な内容も、ブロックチェーン上に記録していくのです。
取引プロセスの自動化によって、契約完了までの時間短縮や不正の防止につながります。
また、契約の手間を省くことで、業務効率の向上とコストの削減も可能となるでしょう。
さらに、イーサリアムで利用されるスマートコントラクトは、仮想通貨としての機能だけではなく、商品の売買や、不動産取引などにも応用できます。
この汎用性を生かした新たなビジネス利用にも、期待が高まっています。
分散型アプリケーション開発プラットフォーム
イーサリアムのもう1つの特徴が、分散型アプリケーション(dApps)を作成することができるという点です。
現在、公開されているほぼ全てのアプリケーションは中央集権型、すなわち管理する企業や政府、銀行などが存在します。
しかし、ブロックチェーン技術を使ったdAppsは「非中央集権型」であり、中央の管理者がいなくても稼働するアプリケーションなのです。
したがって、内部での不正やサーバーダウンなどは発生しません。
そして、アプリケーションの利用者がデータを分散管理しながら、仕様変更などの意思決定プロセスにも関与できます。
このdAppsを利用して、取引所やゲームなど、多種多様なアプリケーションがイーサリアムからリリースされており、今後のイーサリアム(ETH)の需要拡大にもつながると予測されています。
まとめ
以上、イーサリアムについて、概要や歴史、そして大きな特徴について、詳しく解説しました。
イーサリアムには、ビットコインにはないスマートコントラクトが備わり、分散型アプリケーション開発のプラットフォームにもなることが分かりましたね。
今後も仮想通貨としてだけではなく、さまざまな取引やアプリケーション開発に、イーサリアムが活躍していくことになるかも知れません。
イーサリアムは、誰でも使えるパブリックチェーンとして、アプリケーションのバックグラウンドで動くような、世界のインフラとなる可能性を秘めています。
参考サイト
イーサリアム(ETH)の今後がヤバすぎる!2021年の価格予想・将来性を大暴露!
ビットコインなど仮想通貨に関するコラム/イーサリアム分裂の歴史
ビットコインなど仮想通貨に関するコラム/ブロックチェーンで自動契約!スマートコントラクトの事例と仕組み