ダッシュ(Dash)とは?匿名性と即時性を兼ね備えた、仮想通貨を解説

by AIGRAM

仮想通貨の中で、匿名性の高いものとくれば、モネロ(Monero/XMR)が有名です。
しかし、モネロを上回るスピードで決済が可能であり、高い匿名性と即時性を兼ね備えたコインも存在します。
それが、ダッシュ(Dash/DASH)です。
この記事では、ダッシュの概要と特徴、今後の将来性について、詳しく解説します。

目次

ダッシュ(Dash/DASH)とは

ダッシュは、ソフトウェア開発者であるエヴァン・ダフィールド氏とカイル・ホーガン氏の両名によってつくられた仮想通貨です。
2014年の公開時はXcoin(XCO)という名前でしたが、その後、ダークコイン(Darkcoin)に改称。
さらに、2015年にダッシュ(DASH)にみたび変更されたという遍歴を持ちます。

ダッシュは、2つの組織によって運営されています。
1つ目は「ダッシュ・コアフループ」と呼ばれる、ダッシュの運営全般を担当する企業。
同企業は、寄付やスポンサーシップは一切受けておらず、独立性を保っています。

もう1つは「ダッシュ・トラスト」という組織です。
ダッシュ・コアグループの全株式を所有しており、役員の人事権など、一定の権限を持っています。
このような分権化によって、仮想通貨の公平性が守られているのです。
しかし一方で、ダッシュの運営方針は、マスターノードというコイン大量保持者によって投票で決められており、意思決定は早いものの、やや中央集権的とも言えます。

ダッシュは、世界で最も使いやすく、現金のように自然に決済ができる仮想通貨となるべく開発されました。
そのため、送金スピードが速く、匿名性にも長けているという特徴を持ちます。

ダッシュの時価総額は2021年10月現在、2,000億円の規模であり、仮想通貨市場のランキングで第63位につけています。

送金スピードが早く、匿名性が高いダッシュ

ダッシュの最大の特徴は、送金スピードの速さです。
送金はわずか数秒で完了する上に、支払いにかかる時間も約1秒と、他の仮想通貨を圧倒する速さを誇ります。
現金のような感覚で扱え、手数料もほとんどかからないとあって、海外においては、すでに多くの小売店や取引所によって、取り扱いされています。
この即時性は、インスタントセンドという技術によってもたらされています。
多数のノードから、一定の条件に沿ってランダムにマスターノードが選ばれ、そのノードに承認作業を任せることで、早い送金が実現しているのです。
マスターノードになるには、1,000DASHの担保金が必要で、専用のIPアドレスを保持した上で、24時間稼働していることが条件。
そして、マスターノードは非常に重要な役割を果たしているため、ブロック報酬はマイナーと同じ額となる、45%が分配されています。

もう一つの大きな特徴は、プライベートセンドという、足跡を追うことができない取り引きの匿名性です。
それぞれのトランザクションは複数に分割された上で、別の送金データと一緒にプールされます。
その後、小分けにされた送金は、トランザクションごとに設定された金額にまとめられて、各々の送金先へ送られます。
この仕組みによって、送金される金額は同じですが、誰が誰に送金したのかは分からなくなり、匿名性が保たれるのです。
つまりプライベートセンドは、受け取った金額が同じであれば、誰が送ったコインかは分からなくても構わないという考え方によって、成立しています。

強固なセキュリティと、活発なコミュニティ

ダッシュのマイニングアルゴリズムには、「X11」という非常に強固な暗号技術が用いられています。
X11は、11種類のハッシュ関数を組み合わせたもので、高いセキュリティを誇り、不正だと検知された取り引きは承認されない仕組みです。
また現在、ビットコイン(Bitcoin/BTC)を筆頭に、仮想通貨のマイニングによる電力消費増が問題視されていますが、このアルゴリズムは、それが少なくて済むという利点も持っています。

さらにダッシュは、コミュニティが活発に動いているのも大きな特徴。
前述のダッシュ・コアグループでは、プログラムの制作・管理や運用サポートなど、開発に大きな力を入れています。
運営チームによる広報活動も活発であり、マーケティングにも注力。
特に、YouTubeチャンネル「Dash - Digital Cash」はダッシュが運営しており、全て英語ではありますが、ブロックチェーンの仕組みやダッシュの魅力など、仮想通貨の幅広い知識を解説しています。

ダッシュの将来性

2020年10月、ダッシュは「DeFi(ディーファイ/Decentralized Finance)」の使用ができるようになりました。
DeFiとは、ブロックチェーンを利用した、中央管理者がいなくても取り引きが完結できる、分散型金融サービスのことです。
イーサリアム(Ethereum/ETH)ネム(NEM/XEM)と同じように、プラットフォーム上でDeFiが使えるようになったため注目が集まり、ダッシュの価格は高騰しました。

また2017年には、ダッシュの送金スピードに注目したApple社が、そのウォレットアプリをAppStore内で承認して、正式に決済手段として認めました。
スマホウォレットは、取引所に保管するよりも安全であり、手軽に仮想通貨を行使できますので、ダッシュが使える店舗が増えてくれば、普及も進んでいくでしょう。

一方で、その匿名性の高さが犯罪やマネーロンダリングの温床になりかねないと、懸念の声が挙がっています。
事実、2018年まではコインチェック社による取り扱いがあったダッシュでしたが、匿名性の高さが問題視され、モネロと一緒に上場廃止となりました。
現在、国内でダッシュを入手するには、バイナンスなどの海外の取引所において、別の仮想通貨を送金する必要があります。

まとめ

以上、ダッシュの概要と特徴、今後の将来性について、詳しく解説しました。

分散型金融サービスであるDeFiが使用可能になったことにより、即時性と高いセキュリティを持つダッシュは、非常に有望な仮想通貨だと言えるでしょう。
一方で、匿名性が高い仮想通貨は、国際的に監視が強まっています。
そのため、国内においては取り扱いがありませんし、諸外国においても一部で上場廃止の動きがあるのです。
この問題をどう解決していくかによって、ダッシュの将来性は決まってくるでしょう。

参考文献

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【2021年最新】ダッシュコイン(DASH)の購入方法・買い方は?匿名通貨の将来性は一体?最新チャートや購入可能取引所を解説

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