カウンターパーティ(Counterparty)とは?コインを償却することで独自トークンを発行できる仮想通貨を解説。
近年、ビットコイン(Bitcoin/BTC)にペッグした仮想通貨が多く発行されています。
その先駆けとなったコイン、カウンターパーティ(Counterparty/XCP)では、ビットコインをバーン(償却)することで、その価値を維持している仕組みです。
この記事では、カウンターパーティの概要や、独自トークンの発行をはじめとする数々の特徴、そして将来性について、詳しく解説します。
目次
カウンターパーティは金融プラットフォーム
カウンターパーティとは、2014年1月に運営を開始した、分散型の金融プラットフォームです。
開発やプロモーションは、カウンターパーティ財団という非営利団体が担当しており、創設者であるロビー・ダーモディ氏も開発に参加しています。
カウンターパーティとはプラットフォームおよびシステムの総称であり、ブロックチェーン上においては「XCP」という単位の仮想通貨が流通。
また、プラットフォームはオープンソースで開発されており、発行の主体となる組織は存在しないため、誰でも発行に携わることが可能です。
カウンターパーティは、仮想通貨市場ランキングにおいて第1位に君臨する、ビットコインのブロックチェーン上に作られており、「ビットコイン2.0」と呼ばれるプロジェクトの1つです。
ビットコイン2.0には、他にも「Omni」などのプロジェクトが存在しますが、カウンターパーティはその中で最も実績があり、注目されています。
2021年12月現在、カウンターパーティは1XCP=2,220円前後で取り引きされており、時価総額は約57億円、仮想通貨の市場ランキングでは第634位の規模を保持しています。
独自トークンを発行できるカウンターパーティ
カウンターパーティの最大の特徴は、ビットコインのブロックチェーンを利用して、オリジナルのトークンを簡単に発行できることです。
独自トークンの発行は、保有するXCPをバーンすることで行います。
カウンターパーティを用いて作られた独自トークンとしては、投資支援サービスを展開するフィスコ社が2016年に発行した「FSCC(フィスココイン)」や、同じ年に仮想通貨取引所「Zaif」の運営会社が発行した「ZAIF(ZAIFトークン)」が有名です。
カウンターパーティは、イーサリアム(Ethereum/ETH)のスマートコントラクト(契約の自動実行)を、ビットコイン上で実行できる点にも強みがあります。
これによって、運営方針を決める投票や分散型アプリケーション(dApps)などにおいて、セキュリティが強固なビットコインのブロックチェーンを活用できます。
そのイーサリアムは、独自トークンを発行するプラットフォームとしても有名です。
イーサリアムでは、これまでにもさまざまなトークンが発行されてきました。
スマートコントラクトについてもイーサリアムで利用できますので、カウンターパーティを使うメリットはあまりないように感じられます。
しかしカウンターパーティは、世界一安定したブロックチェーンであるビットコインでトークンを発行可能であり、この利点は非常に大きいと言るでしょう。
ビットコインでは2009年の誕生以降、改ざん事例がないという事実から、今後も強力なセキュリティを維持できることが分かります。
分散型取引所や独自の承認形式を採用
カウンターパーティでは、分散型の仮想通貨取引所(DEX)を採用しています。
DEXは中央集権的な取引所を介すことなく、独自トークンを個人同士で直接取り引きできるメリットがあります。
仮想通貨においては、今までにもマウントゴックス事件など、多数の流出事件が発生してきました。
これらの事件はブロックチェーンそのものに原因はなく、取引所のセキュリティにあった欠陥によって発生したものです。
したがって、プラットフォームに取引所を介さないDEXであれば、安心して取り引きができます。
また、コンセンサスアルゴリズムは、独自の「プルーフ・オブ・バーン(PoB)」という承認システムです。
バーンとは「償却」という意味であり、ビットコインを誰も使用できないアドレスに送る、つまり償却して、代わりにXCPを発行するという仕組み。
実際に2014年1月、2,140BTCという巨額のビットコインがバーンされ、約260万XCPが発行されています。
このように、カウンターパーティはビットコインを担保に、その価値が裏付けられているのです。
これは、かつて貨幣価値を「金」で裏付けていた、「金本位制度」に似た仕組みとも言えますね。
近年はBTCにペッグした仮想通貨が増えていますが、カウンターパーティはその先駆けとなりました。
なお、他の中央集権寄りで運営されるコインとは異なり、カウンターパーティーでは開発者や参加者に対して公平に仮想通貨が分配されています。
この事実から、カウンターパーティの運営団体は、非常に信頼性が高いと言えるでしょう。
カウンターパーティは、ICO(仮想通貨のプレセール)に代わる、公正なトークン公開を実践しています。
カウンターパーティの欠点と将来性
一方で、カウンターパーティには欠点もあります。
利用するビットコインのブロックチェーンは「スケーラビリティ問題」を抱えており、承認には10~20分もかかります。
カウンターパーティについても、トランザクション処理には同じ時間が必要です。
また、カウンターパーティで発行された独自トークンの送信確認は、ビットコインのマイナーが担当する仕組みです。
そのため、ネットワークの混雑具合によっては、トランザクションの際に高いビットコインの手数料がかかってしまいます。
このように、カウンターパーティはビットコインのブロックチェーンに依存していますので、ビットコインのスケーラビリティ問題が解決しない限り、気軽に運用ができない状況が続くことになるでしょう。
一方で、この問題は将来的に「ライトニングネットワーク」の採用で解決できる可能性が高いとも言われています。
そして、発行上限があるビットコインの利用が今後拡大すれば、カウンターパーティに利用できるコインが無くなってしまう恐れもあります。
お手本となった金本位制度も、第2時世界大戦後に金の需要が高まったことで、崩壊してしまいました。
そのため、カウンターパーティの利用には、常にビットコインの動向に気を払う必要があるのです。
まとめ
以上、カウンターパーティの概要や、独自トークンの発行をはじめとする数々の特徴、そして将来性ついて、詳しく解説しました。
独自トークンを発行できるプラットフォームとして、今後も期待できるカウンターパーティ。
一方で、ビットコインに依存している仕組みであり、常にその動向を注視する必要があります。
現在はイーサリアム一強とも言える独自トークン発行機能ですが、選択肢が増えることで仮想通貨は多様性を持ち、一般への普及も進むでしょう。
参考文献
カウンターパーティ(Counterparty)とは?ブロックチェーンを非金融分野にまで応用しようとするプロジェクトを徹底解説!
XCPとは?仮想通貨カウンターパーティーの特徴と将来性を解説!
Counterparty(XCP)とは? 最注目のプラットフォームに迫る!
カウンターパーティー / Counterparty (XCP) とは?