バイトコイン(Bytecoin)とは?世界初となった、匿名性の高い仮想通貨を解説。

by AIGRAM

2018年ごろ、匿名性の高い仮想通貨が資金洗浄やマネーロンダリングの温床となっていると、欧米諸国で危惧されるようになりました。
日本においても、国内取引所がモネロ(Monero/XMR)ダッシュ(Dash/DASH)などの銘柄の取り扱いを、相次いで廃止しています。
今回は、それらの先祖とも言えるコイン、バイトコイン(Bytecoin/BCN)を取り上げます。
この記事では、バイトコインの概要と高い匿名性を実現する2つの技術、そして将来性について、詳しく解説します。

目次

イーサリアムより古い歴史を持つバイトコイン

バイトコインは、2012年に公開された仮想通貨です。
仮想通貨の代名詞とも言えるビットコイン(Bitcoin/BTC)は2009年生まれ。
そして、時価総額としては2番手であるイーサリアム(Ethereum/ETH)の誕生年は2014年ですから、仮想通貨としては比較的、歴史あるコインだと言えるでしょう。

バイトコインは「bytecoin.org」という非営利団体によって運営されていますが、オープンソースであり、その開発には誰でも参加可能です。

最大の特徴は、匿名性が高く、取り引きの追跡が不可能なコインである点。
匿名性の高い仮想通貨としては、世界で初めて誕生したコインとなります。
その秘匿性は、多くの仮想通貨で使われているアルゴリズム「クリプトナイト(CryptoNight)」を用いており、バイトコインは一番最初に同技術を実装したプロジェクトでもあります。
なお、匿名性で注目を集めたモネロは、バイトコインをベースとして開発されています。

仮想通貨において、取引に関わるさまざまな情報は、ブロックチェーン技術によって公開されています。
この高い透明性によって、第三者に対しトランザクションの正当性を証明しているのです。
しかし、公開することで一定の個人情報が露呈してしまうという欠点があります。
その問題を解決するために、匿名性の高い仮想通貨が開発されたのです。
匿名性の高い仮想通貨では、ブロックチェーンにおける全ての取引において、自分のウォレットのアドレスが記録されませんので、支払いの追跡は不可能となり、完全に匿名となります。

現在、バイトコインは1BCN=0.05円前後で取り引きされており、2021年11月の時価総額は85億円、仮想通貨市場ランキング532位の規模となっています。

匿名性の高さを実現する、2つの技術

バイトコインが採用したクリプトナイトは、複数人で取り引き内容に署名する「リング署名」と「ワンタイムキー」と呼ばれる2つの技術で、プライバシー情報を保護しています。

リング署名とは、仮想通貨の決済時に複数名のグループをランダムにつくり、第三者からは誰が署名したのかが分からないようにする技術です。
通常の送金において、電子署名は単独で行われ、第三者からはそのアドレスが判別可能です。
しかしバイトコインでは、トランザクション情報をグループにまとめてしまうことで、誰による取り引きなのかを判別できないようにしているのです。
さらに、取り引きごとに発行される「ワンタイムキー」は、一定の時間が過ぎると自動的に使用できなくなりますので、トランザクションにおいて、第三者は送金者や受金者を特定するのが困難となります。
この2つの技術によって、当事者以外に取り引きの詳細を公表することなく、第三者にも正当性が証明できる仕組みを実現しているのです。

これらの技術は、バイトコインをベースに開発されたモネロにも引き継がれており、同コインにおいても高い匿名性を実現しています。

匿名性の高いバイトコインの将来性

仮想通貨市場においては、2017年ごろから匿名性の高いコインが注目され、バイトコインも価格が上昇していきました。
しかし現在、匿名性の高い仮想通貨は、淘汰されていくような動きに変わっています。
バイトコインにおいても例外ではなく、世界的に大きな取引所であるバイナンスが、同社の基準を満たしていないとして取り扱いを停止。
これを受けて、2018年10月には20%以上も暴落しました。

2018年には1BCN=8円前後で推移しており、仮想通貨市場ランキングも20位以内に位置していたバイトコインでしたが、今では他の匿名性の高い仮想通貨には完全に水をあけられ、残念ながら低迷しています。
バイトコインがこれから復活するためには、例えば犯罪利用の完全な撲滅など、他のコインにはない、独自の魅力が必要となってくるでしょう。

まとめ

以上、バイトコインの概要と高い匿名性を実現する2つの技術、そして将来性について、詳しく解説しました。

イーサリアムより早く登場したバイトコインでしたが、現在の時価総額を見ると大きな差が出てしまいました。
ダッシュやモネロ、ジーキャッシュなど、他の匿名性の高さが特徴の仮想通貨と比較しても、その差は歴然です。
バイトコインの将来は、今後の開発で独自性を打ち出せるかにかかっています。

参考文献

Bytecoin(バイトコイン)とは?特徴や今後の将来性は?

仮想通貨Bytecoin(バイトコイン)の特徴・将来性・価格・購入方法を東大生が解説!

バイトコイン(Bytecoin/BCN)の特徴・詳細とは?

Bytecoin(バイトコイン)wiki的基本情報・特徴・問題点・評判・購入できる取引所・今後の将来性まとめ

Bytecoin(バイトコイン/BCN)の詳細・特徴・将来性|仮想通貨界の古株・「元祖」匿名性仮想通貨!基本解説

リング署名とは

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