アーク(Ark/ARK)とは?スマートブリッジ機能で他の仮想通貨との橋渡しとなるコインを解説。

by AIGRAM

仮想通貨は、機能のアップグレードを目的として「ハードフォーク」が行われています。
ハードフォークでは、ブロックチェーンが分岐して新旧の互換性がなくなりますが、その後も旧ブロックチェーンが使われ続け、2つの仮想通貨が生まれることもあります。
アーク(Ark/ARK)も、他の仮想通貨から分岐して誕生したコインです。
この記事では、アークの概要や独自機能、利点、そして将来性について、詳しく解説します。

目次

ハードフォークで誕生したアーク

アークは2017年3月に公開された、新しい仮想通貨です。
日本でも人気のある仮想通貨、リスク(Lisk/LSK)からハードフォーク(分裂)して生まれました。
アークは公開に先駆けて、2016年末には仮想通貨のプレセールである「ICO(イニシャル・コイン・オファリング)」を実施。
80万ドルという、巨額の資金調達に成功しています。

アークは、分散型アプリケーション構築用のプラットフォームを目指すリスクと、いくつかの機能で共通しています。
そしてさらに、リスクの機能を改良して、実用的なプラットフォームを目指しているのです。

その違いの1つが、アーク独自の最大の特徴であり、他のブロックチェーンとの橋渡し機能となる「スマートブリッジ」です。
またアークは、実用的な決済通貨となるべく、承認スピードも高められています。
リスクも10秒と非常に高速ですが、アークはさらにその速度を短縮し、8秒でブロックが生成されるようになっています。

アークは2021年11月現在、1ARK=210円前後で取り引きされており、時価総額は約280億円、仮想通貨市場ランキングでは第296位の規模を持っています。

アーク独自の機能「スマートブリッジ」

アークのハードフォーク元であるリスクには、契約を自動化する「スマートコントラクト」機能を持ち、開発言語には「JavaScript(ジャバスクリプト)」を採用、そして将来的には「サイドチェーン」の導入を予定しているといった特徴があります。

一方で、アークの最大の特徴であり、リスクにはない独自の機能が「スマートブリッジ」です。
スマートブリッジは、異なるブロックチェーン同士をつなぎ、多様な取り引きを実現します。

実は、ブロックチェーンはそれぞれ独自の技術で構成されており、互換性はありません。
仮想通貨は基本的にスタンドアロンであり、自由に行き来はできないのです。
例えば、ビットコイン(Bitcoin/BTC)イーサリアム(Ethereum/ETH)のブロックチェーンを同時に利用することできません。
また現在、注目されている分散型アプリケーション「dApps」も、特定のブロックチェーン上でしか動作しないため、利便性に欠けます。
このように、今後ブロックチェーン技術が普及していく途上において、互換性のなさは最大の障壁となるのです。

しかし、スマートブリッジ機能を使えば、アーク上で他のブロックチェーンのアプリケーションが利用できるようになります。
数千種類もあるといわれる仮想通貨には、それぞれ長所や短所を持っています。
アークによって異なる仮想通貨同士をつなげられたら、各々の機能を補完できるため、より便利な取り引きができるようになるでしょう。

現在は、ビットコインをはじめ、イーサリアム、ERC20、そしてリスクとの接続が可能なアーク。
将来的には、すべてのブロックチェーンとの接続という、壮大な目標を掲げています。
全ての仮想通貨の垣根を超え、他のブロックチェーンとのハブになることがもくろみ通り実現すれば、アークの価値は高まっていくでしょう。

DPoSを採用し、トランザクションが早いアーク

トランザクションが早いことも、アークの特徴です。
リスクも、承認スピードは約10秒と、仮想通貨の中でも比較的高速の処理を実現していますが、アークのブロック生成にかかる時間は約8秒と、それを上回る速度。
ビットコインは、承認に約10分もかかってしまうため、小口の支払いには不向きです。
決済時間の短いアークは、実用性があるコインだと言えるでしょう。

承認スピードの速さは、コンセンサスアルゴリズムにリスクと同じ「デリゲーテッド・プルーフ・オブ・ステーク(Delegated Proof of Stake/DPoS)」を採用することで、実現しています。
デリゲーテッドとは「委任する」という意味。
アークでは、仮想通貨を保有する人によって投票が行われ、51人の承認者が決定されます。
なお、リスクの承認者は101人ですが、アークはより高速を目指すため、その人数をさらに絞っているのです。
そして、投票で選ばれたノードにより承認作業が行われます。

また、ビットコインが採用する承認形式「プルーフ・オブ・ワーク(PoW)」は、誰でも承認作業に参加できる反面、計算競争が起きるため消費電力量の多さが問題視されています。
一方で、その問題解決が期待される「プルーフ・オブ・ステーク(PoS)」は、通貨の保有量に対して投票権が付与されるため、買い占めた一部の大量保有者によって、投票結果を都合のいいように変えてしまう恐れがあります。

DPoSを採用するアークでは計算競争は起きず、投票システムが分散化されているため一部の人の意見に偏らないようになっています。
通貨を保有する全ての人々の意見を反映できるDPoSの仕組みは、間接民主制とも言えるでしょう。

アークの将来性

メジャーなプログラミング言語に対応しており、開発しやすいのもアークの特徴です。
開発できる言語を増やして、参加するエンジニアを増やすことを狙っています。
アークでは、Javaや.NETをはじめ、近年人気のPythonやRuby、そしてGoogleが開発したGoや、アップルのSwiftといった言語が使えるため、エンジニアが開発に参加しやすいのです。

アークは、2017年3月にローンチされた後、2018年の年初における仮想通貨バブルにおいて、一時1,100円を超える高値を付けました。
しかしすぐに急落し、その後はしばらく20円前後で推移します。
そして2021年3月、他の仮想通貨が軒並み急騰する中で、アークも350円まで値を戻し、現在は210円前後で取り引きされています。

なお、アークはリスクとは違い、国内の取引所では扱っていません。
入手するには一旦、別の仮想通貨を買った後、バイナンスなどの海外の取引所を利用する必要があります。

まとめ

以上、アークの概要や独自機能、利点、そして将来性について、詳しく解説しました。

リスクからハードフォークして生まれたアークですが、残念ながら時価総額を超えることはできていません。
現在、アークの市場ランキングは300位を割り込むところで推移していますが、リスクは150位前後に位置しています。
ただ、全ての仮想通貨との橋渡しとなるという、壮大な目標が実現できれば、アークの価値は莫大なものとなるでしょう。
今後のアークの開発状況には、目が離せません。

参考文献

Arkとはどのような仮想通貨?

仮想通貨ARK(アーク)とは?特徴や将来性、購入できる取引所は?

仮想通貨『Ark(アーク/ARK)』スマートブリッジ機能で他の通貨と連携が取れる

仮想通貨Ark(アーク)とは?特徴や取引の仕方まで徹底解説!

仮想通貨Arkとは?今後の価格や将来性、買い方

仮想通貨Ark(アーク)の特徴と将来性は?

仮想通貨Ark(アーク)とは?特徴・将来性・買い方を解説

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