アルゴランド(Algorand)とは?着実に成長を続ける米国MIT発のブロックチェーンを解説

by AIGRAM

アルゴランド(Algorand/ALGO)は、米国MIT発の革新的かつ持続可能なプラットフォームです。1年半で時価総額ランキングトップ20入りを果たしたアルゴランドの、概要や主な特徴、今後の見通しや将来性について詳しく解説します。

目次

はじめに

2021年に入ると、これまでの仮想通貨の欠点を克服した「次世代型ブロックチェーン」の台頭が見られるようになりました。
その中でも一際目立って躍進したのが「ソラナ(Solana/SOL)」で、1年半で時価総額ランキングトップ20入りを果たしています。
今回紹介する「アルゴランド(Algorand/ALGO)」も、ソラナに劣らず爆発的な上昇を遂げた仮想通貨の1つです。
この記事では、アルゴランドの概要や主な特徴、そして将来性について詳しく解説します。

米国MIT発のブロックチェーン

アルゴランドは、従来のCeFi(中央集権型の金融システム)や、ブロックチェーン上で展開されるDeFi(ディーファイ/Decentralized Finance)を安全なかたちで統合する「FutureFi(次世代型の金融システム)」を目指した、革新的なプラットフォームです。

持続可能なブロックチェーン

アルゴランドは、全米屈指のエリート名門校の1つ、マサチューセッツ工科大学(MIT)の教授であるシルビオ・ミカリ氏によって開発されたプラットフォームです。
同氏は仮想通貨の有識者としても知られているため、リリース当初は注目を集めました。
また、2020年にノーベル経済学賞を受賞したポール・ミルグロム氏も、アドバイザーとして名を連ねています。

特筆すべき点は、環境に焦点を当てた持続可能なブロックチェーンとして開発されていること。
他のブロックチェーン、特にビットコイン(Bitcoin/BTC)は消費電力が高く、二酸化炭素の排出量が問題視されています。
そこで、アルゴランドは独自のコンセンサスアルゴリズム「PPoS」を採用し、エネルギー効率を高める取り組みをしています。
PPoSによって、これまでのブロックチェーンが抱えていた問題点がクリアされ、イーサリアムキラー、次世代のブロックチェーン技術として前述のソラナとともに熱い視線が集まっています。

ステーキングも可能

アルゴランドは、保有によって報酬を得る仕組みである「ステーキング」も可能です。
アルゴランドのステーキングにはロックアップ(凍結)が必要なく、ウォレットでの管理や仮想通貨取引所のサービスを利用しても構わないというメリットがあります。
ハードフォークが起きない仕組みを持ち、通貨の価値を安定させているのも特徴です。

2022年1月現在、アルゴランドは1ALGO=120円前後で取り引きされており、時価総額は約8,400億円、仮想通貨の市場ランキングでは第25位の規模を保持しています。

PPoSで民主的な仕組みを採るアルゴランド

アルゴランドの最大の特徴は、独自のコンセンサスアルゴリズム「ピュア・プルーフ・オブ・ステーク(PPoS)」を採用している点です。

PPoSは民主的なシステム

PPoSのベースとなる「プルーフ・オブ・ステーク(PoS)」とは、通貨の保有量が多い人が優先して承認作業ができ、報酬を受け取れる仕組みです。
ただ、それ故に通貨を多く持つ人でなければ承認作業に参加できず、民主的ではないと指摘されています。
そしてビットコインが採用している「プルーフ・オブ・ワーク(PoW)」は、セキュリティが高い利点がある一方で、消費電力量が多いという欠点を抱えており、環境への負荷が問題視されているのです。

PPoSは上記2つの欠点を克服し、トークンを持っていれば誰でもネットワークに参加できる、民主的なシステムを実現しました。
PPoSにおいてブロックの検証作業に参加するノードは、保有する通貨の量とは関係なく、全てのユーザーから秘密裏かつランダムで選択されます。
全てのユーザーがシステムに選ばれる機会があることは、そのネットワークにおける分散性の向上と、セキュリティの向上というメリットをもたらすのです。
アルゴランドでも、1ALGO以上を持つ全てのアドレスに、報酬を受け取れる資格があります。
なお、ステーキングによって得られる報酬はトークンの保有量に比例し、一般的には5~10%ほどの年利回りが見込めます。

また、PPoSでは承認されるブロックは必ず1つに限られています。
これによってブロックチェーンが分裂(フォーク)せず、分裂したあと長いチェーン以外は消滅してしまうPoWと比較して、高効率のネットワークを実現しています。

次世代のイーサリアムキラー

アルゴランドは、イーサリアムキラーとしても期待されています。
イーサリアム(Ethereum/ETH)は、オープンソースのブロックチェーンであり、dApps(分散型アプリケーション)の開発プラットフォームとして、高いシェアを誇ってきました。
しかし、イーサリアムでは利用者の増加によって、高いGAS代(手数料)やネットワーク速度の遅延などのスケーラビリティ問題を抱えています。
一方、アルゴランドのトランザクション処理能力は、近く1秒間に46,000件まで引き上げられる予定で、承認速度も2.5秒まで圧縮されますので、その問題を解消できます。
イーサリアムは、1秒間に最大でも25件程度しか処理できないため、非常に画期的だと言えるでしょう。
トランザクションにかかる費用も、0.001ALGO(0.1〜0.2円)と、ほぼ無視できるレベルです。
エネルギー効率についても、ビットコインと比較して数百万分の一まで改善されています。

急成長と国家での採用、そして将来性

急成長を遂げたアルゴランドですが、今後はどのような展開を見せるのでしょうか。

国家で採用されるアルゴランド

これまで、dApps開発やICO(イニシャル・コイン・オファリング/仮想通貨のプレセール)のプラットフォームはイーサリアム一強だった仮想通貨市場でしたが、2021年に入ると、次世代型ブロックチェーン技術を持つソラナ(Solana/SOL)が1年半に700倍の価値向上を見せ、たいへん注目を集めました。
同じく次世代のブロックチェーンであるアルゴランドも、第2のソラナとして注目を集め、価格が急上昇しています。

アルゴランドは、複数の国家においても公式に採用が進みました。
ビットコインを法定通貨として制定した、中央アメリカの国であるエルサルバトルでは、施行した「ビットコイン法」を導入するツールとしてアルゴランドが選ばれています。
また、オセアニアのミニ国家マーシャル諸島共和国においても、ソブリン(SOV)というブロックチェーンベースのコインが法定通貨となり、運営するブロックチェーンにアルゴランドが採用されたのです。

分散型ガバナンスへ移行

アルゴランドはさらに、2021年の後半からガバナンスをコミュニティへ移行。
これまでの運営主体はアルゴランド財団でしたが、分散型ガバナンスに移ることによって、今後は全ての意思決定がコミュニティにいるALGO保有者の投票によって決められます。
一部のコイン独占者によって運営されるのではなく、ユーザー全体でプラットフォームを成長させていくことで、将来的には一般層への普及につながると非常に期待されているのです。

ここ1、2年で、次世代のイーサリアムキラーと呼ばれるブロックチェーンが急成長しています。
優れた特徴を持つアルゴランドは、イーサリアムに変わってdApps開発プラットフォームの主流になるかもしれません。

このように、非常に将来性が見込まれるアルゴランドですが、残念ながら国内の取引所による取り扱いはありません。
入手には、海外の取引所に別の仮想通貨を送金する必要があります。

まとめ

アメリカのMIT発の仮想通貨アルゴランドは、独自のコンセンサスアルゴリズム「PPoS」を採用して環境負荷を和らげ、かつトランザクション処理能力も大幅に向上させることに成功した、画期的な次世代型ブロックチェーンです。
これまでdApps構築の市場を独占してきたイーサリアムの地位を脅かす存在として、同じく急成長を遂げたソラナとともに、非常に注目されています。
国家にも公式に採用され、ガバナンスをコミュニティに移行するなど、その将来性はたいへん有望なコインですが、残念ながら国内での取り扱いは今のところありません。
今後も、注視していくべきブロックチェーンの1つでしょう。

参考文献

仮想通貨アルゴランド(ALGO)とは?特徴と今後の見通し・予想を徹底解説

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アルゴランド公式

アルゴランド公式 - PPoS

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