人工知能(AI)によるSEO対策は通用するか?【SEOマーケター監修】
私たちが本やニュース、映画などでよく耳にする言葉「人工知能(AI)」。
人工知能(AI)は、知らずのうちに私たちの生活の一部となりつつあります。例えば、Siriやアレクサも人工知能(AI)を使ったプログラムです。まるで人のように音声を理解し、返答してくれます。
極端に表現すると、人工知能(AI)は人になることができ、人がする作業を代行できるのです。
様々なトピックがある人工知能(AI)ですが、本記事では人工知能(AI)によるSEO対策の可能性について解説していきます。
目次
人工知能(AI)とは?
初めに、人工知能(AI)について簡単に説明します。
人工知能(AI)とは、人の知的な作業をソフトウェアを使って人工的に模倣したシステムのことを指します。
人のふるまいができるプログラム「人工知能(AI)」は、人のように勉強したり、間違いから学んだり、成長したりすることができます。
人と違って体力の概念がないため、休まずに勉強したり働き続けることが可能です。
私たち人が使える作業時間や体力には限界がありますから、人工知能(AI)という革新的な技術の価値は年々高まっています。
人工知能(AI)のメリット・デメリット
次に、人工知能(AI)のメリットとデメリットについて、それぞれ3つずつピックアップして紹介していきます。
3つのメリット
①業務の効率化
人工知能(AI)を活用することによって、私たちが普段行っている単純作業を任せることが可能です。
企業や教育機関などでルーティン業務化している作業は、人工知能(AI)でも対応できるものが殆どです。
単純作業を人工知能(AI)に任せることができれば、頭を使うクリエイティブな作業や場合に応じて変化する複雑な作業にリソースを割くことができ、業務の効率化に繋がります。
②人手不足の解消
一つ目のメリットによって、企業や機関は人手不足を解消することができます。
少子高齢化の傾向が強い日本では、労働人口の減少が懸念されています。
年齢や体力などを考慮する必要がない人工知能(AI)を効果的に導入することによって、職場の人手不足を解消できます。
③データの分析
3つ目は、人工知能(AI)によってデータの分析や予測を行えるということです。
人工知能(AI)は、人と違って膨大なデータを一気に分析できます。特にデータの活用が最重要視されているマーケティング領域においては、必須で活用したい技術です。
3つのデメリット
①思考プロセスが不透明
人が何かアイデアや施策を考える場合には、そのプロセスを描き出すことができます。しかし、自動で動く人工知能(AI)の思考プロセスを記録することは困難です。
なぜその結論や結果に至ったのかという明確な理由を知ることができないため、人工知能(AI)のデメリットとして考えられています。
②雇用機会の減少
メリットで労働不足の解消を挙げましたが、逆に人工知能(AI)によって業務が効率化したり、人員を削減することによって、本来働きたかった人が仕事に就けなくなる懸念点もあります。
例えば、スーパーのレジやコンタクトセンターはいずれ全て人工知能(AI)が担うため、職の困る人が一定数出てくることが考えられます。
そのため私たちはより専門性のあるスキルを身につけていく必要があります。
③責任の所在が曖昧
人工知能(AI)には、責任の所在が曖昧というデメリット・課題があります。
例えば、人工知能(AI)技術による自動運転の車を運転していた人が事故起こしてしまったら、その責任は自動車メーカーにあるのか、それとも運転手にあるのか?
この問題はまだ法律で定められておらず、不明確となっているため注意が必要です。
人工知能(AI)ができること
続いては、人工知能(AI)ができることについて、具体的にいくつか紹介していきます。
人工知能(AI)ができる5つのこと
- 翻訳や要約などの文章理解
- チャットボットなどの音声認識
- 顔認証や監視カメラなどの画像認識
- 工場や車のセンサーなどの異常検知
- 製造やデータ入力などの単純作業
この他にも人工知能(AI)ができることは多岐に及びます。
簡単にまとめると、予めデータが存在するものに対しての理解や単純なルーティン作業を得意としています。
逆に言えば、クリエイティブな作業や人の気持ちを汲み取ってコミュニケーションをとるような業務では、まだ人の方が有利です。
ここまで説明してきた内容からわかるように、人工知能(AI)のポテンシャルは非常に高いです。普段私たちが関わっている様々な分野に活用することができます。
人工知能(AI)でSEO対策は可能か?
ここからは、SEO専門家の筆者が、SEO観点でみた人工知能(AI)の可能性についてお話ししていきたいと思います。
SEOは、Googleなどの検索エンジンにおいて、自社ページを検索結果の上位に表示させる手法です。SEO対策は様々なものがありますが、人工知能(AI)を活用したSEO対策は存在するのでしょうか?
簡単に調べてみたところ、「人工知能(AI)分析によって最適なSEO対策を導き出す」といった形で謳っているSEOツール提供会社がいくつか見つかりました。
しかし信憑性のある実績や事例がサイト内では見つからず、利用顧客がいるのかは不明でした。
前の章で述べたように、人工知能(AI)が現在得意とする分野は、「文章理解」「音声認識」「画像認識」が中心です。
また、一度認識させたものを機械学習(ディープラーニング)させることによって、理解を深めさせることが可能です。
SEOにおいて、私たちはテキストや画像を使ってユーザーが求めるページを設計・作成する必要があります。
ユーザーがいつも検索するワードや関心が高いワードを人工知能(AI)に機械学習させて、大量のデータからユーザーのニーズを探し出すことは可能かもしれません。
しかし、Siriやアレクサの文章レベルを考えれば、人が違和感なく自然に読める文章を人工知能(AI)が書くことは現状難しいでしょう。
つまり現段階では、人工知能(AI)を使ってユーザーが求める情報やキーワードを導き出すことによってページの構成を作ることができても、SEOで高評価を得るための良質なコンテンツを作成することはできないと考えます。
それ以外の活用方法として、競合分析が考えられます。
自社が狙った検索キーワードで上位表示されている競合ページの内容を人工知能(AI)に日々分析してもらうことによって、上位ページの傾向や自社ページとの差分を洗い出すことが可能です。
これもまた、良質なコンテンツを作成するためのサポート的な役割となります。
以上のことから、結論としては人工知能(AI)によるSEO対策は可能と考えます。
ただし最終的な文章の作成やコーディング等は、まだまだ人の力が必要になってきます。
SEOに限りませんが、人工知能(AI)だけに頼るのではなく、人と上手く共存させることで最大限の効果を発揮できる段階にあると思います。
数年後、数十年後の人工知能(AI)はさらに高いレベルに進化しているはずですが、人だからできること、人にしかできないことを今は常に探りながら生活すると良いかもしれません。
まとめ
今回は、人工知能(AI)の基礎知識とSEO専門家目線による人工知能(AI)の可能性について解説しました。
人工知能(AI)にはたくさんのメリットや活用できることがある一方、人にしかできない作業もまだまだたくさんあることも事実です。
特に今回お話ししたSEOの観点で見ても、人工知能(AI)と人の両方のスキルを活用してこそ、効果を最大化させることができます。
業務の効率化を計りながらも、データ分析等の質を高めてくれる人工知能(AI)は、市場の大きいビジネスとして引き続き注力するべき分野です。
参考資料
AIによるメリット・デメリットは?人工知能の問題点と解決策も紹介 | AI専門ニュースメディア AINOW
AI・人工知能の導入によって生まれるメリット・デメリットとは?
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