【業界関係者必見!】インターネット時代の冠婚葬祭業界のマーケティング方法について徹底調査!

by AIGRAM

情報技術が発展した現代において、SNSなどを用いてインターネットで積極的にマーケティングをすることはもはや当たり前となりました。
それは、婚活サポート・結婚式場、あるいは葬式などの伝統的な冠婚葬祭の業界も例外ではありません。

そこでこの記事では、工学博士を取得し、株式会社AIGRAM代表取締役兼Fintech(ブロックチェーン)系ベンチャー企業のCTOを務めている伴直彦が、結婚式場、婚活サポート、葬儀会社などの冠婚葬祭業界で、SNSなどのインターネットツールがどのように利用されているのか、その実態について解説しています。

目次

インターネット時代の代表的な情報発信ツール

情報発信のプラットフォームとして代表的なのが、FacebookやTwitter、InstagramなどのSNSです。
企業も独自のFacebookページやTwitterアカウントなどを保有していることが当たり前の時代になりつつあります。

また、情報発信の手段としては、SNSに比べてややハードルが高いですが、動画を制作してYouTubeに載せることもできます。
YouTube動画は、まるでテレビ番組を観るように人々から気軽に視聴されますし、発信者に対する親しみやすさも増す傾向があります。

さらに「ランサーズ」「クラウドワークス」「ココナラ」のような、専門家への外注専門サイト(クラウドソーシング)を利用して、冠婚葬祭に必要な人材を探して業務を依頼する例が増加しています。

結婚式場・葬儀業者によるクラウドソーシングの傾向

結婚披露宴や葬儀で必須となるのが、司会進行役です。そこで、案件ごとにプロのアナウンサーなどに依頼するクラウドソーシングの例が珍しくなくなっています。専属の司会進行役を雇用すると人件費がかさみますので、必要になるたびに、そのつど外注したほうが効率的だといえます。

また、結婚式や披露宴では、晴れ姿を美しく撮影するカメラマンを、式場運営側がクラウドソーシングで依頼する場合もあります。近ごろでは結婚にかける予算を節約するため、新郎新婦ふたりの記念に残る写真撮影のみを重点的に行う「フォトウエディング」も珍しくなくなっています。このフォトウエディングでは、カメラマンの撮影の腕こそが特に成功を支える鍵となります。

さらに、結婚披露宴では、余興を盛り上げるために、プロのミュージシャンやダンサー、マジシャンなどを招くこともあります。こうしたエンターテイナーを手配して安価で依頼するため、クラウドソーシングが利用される場面もありうるでしょう。

婚活・結婚式場は、SNSやYouTubeで積極的に発信する傾向あり

婚活サポートを営む会社や事業主は、特に「異性から気に入られるノウハウ」「婚活を成功させるコツ」など、婚活に興味がありそうな人々が欲する情報を、ブログやYouTubeで積極的に発信し、そこから見込み客を確保していく場合が増えています。

そもそも、SNSを通じて知り合った男女が、実際にオフラインで会って、成婚にまで至る例も世間では決して珍しくありません。今や、婚活サポートに携わる企業が、SNSの利用を躊躇すべき状況にはないのです。

また、結婚式場は華やかな内装などが人々の目を惹きつけるため、綺麗な写真が好まれるInstagramなどを活用しながら情報発信し、そのフォロワーを見込み客とする手法も一般化しています。また、世間で人気のあるインフルエンサーに依頼し、人々の目を惹く美しい写真で「いいね」を多く獲得する戦略を採り、多くのフォロワーを見込み客として集めておくことも、ビジネス上において有効です。

結婚式を挙げるつもりがなかった夫婦も、Instagramを眺めているうちに、気が変わって見込み客に転換する望みもあります。

たとえば、海外のInstagramアカウントを例に挙げますと、@weddingchicks は、結婚式場のきらびやかな写真を1万枚以上掲載し、すでに100万人近いフォロワーを集めています。

SNSやYouTubeで発信する葬儀会社は、存在感を増す

葬儀業者が積極的にSNSやYouTubeで情報発信する例は、少数に留まっています。家族や友人の不幸が関わらない平常時には、葬儀に関する情報は忌み嫌われやすいですし、大半の葬儀会社は世間から批判されるリスクを考慮して、SNSなどによる情報発信は控える雰囲気があるからでしょう。

一般的には葬儀業者がSNSで集客するのは困難であると考えられており、ポータルサイトから送客された見込み客の問い合わせに依存する傾向が強まっています。

しかし、批判されるリスクも覚悟で、SNSを更新したり、YouTube動画を制作して公開したりしている葬儀会社もあり、インターネット空間の中において存在感を増していることも事実です。

たとえば、東京都の「佐藤葬祭」では、代表がみずからYouTube動画に出演して積極的に発信しています。2015年の開設以来、6年間にわたって動画を制作。2021年9月現在で、すでに動画の本数は1200本を超えており、チャンネル登録者数は10万人に迫る勢いとなっています。

動画の内容は、葬儀の知られざるマナーやご遺体の秘密など、一般の人々からの関心や好奇心を惹きやすいものとなっています。中には、一般の方々の葬儀に関する情報発信に対して、異議を唱える内容も含まれていて、勇気ある発言などもあります。それでも、観る人によっては「縁起が悪い」「観たくなかった」と感じる人もいるであろうことは想像できます。

「佐藤葬祭」では、視聴者の間で賛否両論が分かれ、忌み嫌われる場合もありうることを承知で、あえて積極的に発信しており、葬儀会社に対する世間の疑問に答えたり、誤解を解いたりする活動を続けています。実際に10万人近くのファンが付いており、家族に万が一の不幸があったときには、代表の姿を動画で見慣れていて「顔なじみ」とも「親しみやすい」とも感じられる佐藤葬祭さんに依頼しようという人も実際に増えているでしょう。

代表みずから、「動画制作は大変だからこそ、業界の中で競争優位に立てる」として、「小さな葬儀会社が、大手の葬儀社に対抗し、打ち勝てることもできる可能性」をYouTube動画に期待していると語っています。

葬儀大手の公益社によるアンケート調査結果によると、新型コロナウイルスによる感染拡大にともない、葬儀社に関する情報をネット検索したことがある人の割合は、従来の4割前後から、2020年以降には6割まで急増しているといわれます。

キーワードを入力してネット検索する人のほとんどは、Googleで検索します。葬儀関連で上位表示されるのは、古くから更新されているブログや、1クリック1000円以上で広告を出している大手葬儀社です。そんな中でも、ビジュアル要素があるYouTube動画は、比較的新しいものでも上位表示される可能性があり、ネット上で存在感を増す上でまだまだ有利な媒体です。

一方で、葬儀情報をSNSで探したことがある人の割合は、1割程度に留まっているとのことです。葬儀会社は、SNSよりもYouTube動画の更新を努力したほうが、かけた手間に対する見返りが大きいものと期待できます。

葬儀情報を遺族のSNSで流すかどうか

従来、通夜や葬式に関する日時・場所に関する情報は、親族や故人の友人、知人に対して、電話やFAXなどで直接的に告知をする例が一般的でした。しかし、近年では都市部を中心に、遺族がSNSで告知する例も増えています。1本ずつ電話を掛けるよりも、ネットで一斉に情報発信をしたほうが、手間がかからずに早いと考えられているのです。葬儀会社も、遺族がSNSでの発信を望んでいれば、そのまま認めている例がほとんどです。親しい人が相手であれば、LINEなどのメッセンジャーアプリで葬儀情報を告知することも珍しくありません。

しかし、地方ではSNSに慣れていない人が多数派となっている場合が多いようです。そのような実態から、電話やFAXなど従来型の告知方法が重宝されています。

サマリー

冠婚葬祭の業界では、今や集客のために、インターネットを抜きにしたビジネス戦略を採ることは難しくなっている。現代では、何を探すにしても、まずはネット検索から始めるからである。結婚式場や葬儀会場も決して例外ではない。検索で上位表示させるためには、かつてネット広告が有効だったが、今ではクリック単価が高騰しているため、広告を出すほど赤字になるおそれがある。そこで、SNSやYouTubeなどによる日常的な情報発信が、現代の集客の鍵となる。

おわりに

今回は、冠婚葬祭業界におけるインターネットでのマーケティング方法について解説しました。

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参考文献

第25回:SNSを使った葬儀情報の発信、葬儀社はどう見ているか

結婚式の余興を費用・予算格安で実現する7つの方法『簡単+節約』

第21回:“小"葬儀社が“大"葬儀社に打ち勝つ集客術YouTubeは大企業でも真似のできない集客ツールである

コロナ禍をきっかけに、葬儀関連をインターネットで検索する人が約4割から約6割に増加。検索内容は、「葬儀の金額」が7割以上を占める。SNSでの情報収集は1割程度で、まだ少ない。

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