【コロナ禍で話題】最新のフィットネスビジネス6選|キーワードは「ステイホーム」と「オンライン」

by AIGRAM

皆さんはスポーツジムフィオットネスと聞くとどのような印象を抱きますか?
店舗に足を運んで運動をしたり、トレーナーの指導を受けるといったイメージを持っているのではないでしょうか。

しかし新型コロナウイルスの感染が拡大している現在では、3密が気になってなかなかスポーツジムに行くのを躊躇しているという方も多いと思います。
帝国データバンクの調べによると、緊急事態宣言やステイホームが叫ばれ、コロナ禍が本格化した2020年4月~21年3月の1年間で、負債額1,000万円以上の法的整理を行い、休業・廃業に追い込まれたスポーツジム・フィットネスクラブは累計23件で、過去10年間で最悪の水準となっていることが判明しました。2008年のリーマンショック時には年間29件が破綻していましたが、その頃に迫る状況です。

その一方で、テクノロジーを活用して効率的に健康を維持・増進できる最新のフィットネスビジネスが注目されています。
キーワードはステイホームオンラインです。
今回の記事では工学博士を取得し、株式会社AIGRAM代表取締役兼Fintech(ブロックチェーン)系ベンチャー企業のCTOを務めている伴 直彦が、コロナ禍で話題の最新のフィットネスビジネスを6つ厳選し解説します。

目次

①鏡とモニターが一体化した自宅型フィットネス

アメリカで流行している、その名も「MIRROR」というフィットネスシステムは、鏡とモニターが一体化した専用端末によって、自宅でも本格的なフィットネスメニューを組んでトレーニングを継続できるしくみです。

今までにも、映像教材でフィットネスメニューを提供するサービスはいくつも存在しました。2007年頃に日本でも大ブームとなった「ビリーズ・ブートキャンプ」がその典型です。しかし、従来型のモニターでは自分の姿を確認することが難しく、教えられたとおりの動きができているかどうか、モニターと鏡を交互に見なければなりませんでした。

しかし、MIRRORであれば自分の姿とモニター上のインストラクターの姿を1つの視界で確認することができるので、無理なく継続することができるでしょう。単にフィットネスアプリで自己管理するよりも、専用のツールをひとつ導入するだけでも、モチベーションを維持しやすいと考えられます。また、トレーニングに使用していないときには、通常の鏡として利用できますので、自宅のインテリアにも自然と溶け込みます。

しかも、2年間にわたって月額32ドルと、実際にフィットネスジムに通うよりも大幅に格安です。類似のフィットネスシステムに「TONAL」もあります。

②サイクリング中心のオンラインフィットネス

アメリカで2012年に創業され、2019年に株式市場への上場を果たした「Peloton」は、自宅にオンラインコミュニケーション機能付きのエアロバイク端末が届き、有酸素運動が中心でサポートを受けられるフィットネスシステムを提供しています。画面上のインストラクターと、まるで1対1で取り組んでいるような没入感を映像教材で提供しているほか、ユーザー同士で励まし合いながらモチベーションを高める機能もあります。

アプリのみの提供で、さらにライトなフィットネス関心層を取り込む「Peloton App」との二段構えとする盤石の体制で、着実に収益を伸ばしているのが特徴です。スマートフォン用のフィットネスアプリはすでに多数リリースされていて飽和状態となっていますので、その点で、他社との差別化を図って競争力を高めるためのエアロバイク端末は、人々にとって強い印象に残りやすいシンボリックな存在となっており、Pelotonを象徴するアイコンとなっている強みもあります。

2022年4月現在でPelotonが日本に上陸する情報がありません。しかも、Pelotonのエアロバイクは1台約20万円と高額のため、フィットネスに真剣な客層のみを対象としています。もし、国内企業がいち早く「オンラインエアロバイク」市場に参入し、より安価なサービスを提供できれば、業績拡大のチャンスが眠っているかもしれません。

③ユーザーの遺伝子検査で、より効率的なフィットネスを目指す

同じフィットネスメニューをこなしていても、人々の痩せやすさ、筋肉の付きやすさには個人差があるのも確かです。日々努力しているにもかかわらず、想定以上に成果が出ずに絶望し、諦めてしまう人も少なくありません。

アメリカ発の「GenoFitness」では、トレーニングの前に遺伝子検査で筋肉の柔軟性や鍛えやすさ、ダイエットの効き目などを測定した上で、個々のユーザーに適したオーダーメイドのフィットネスメニューを提供する仕組みです。

「GenoFitness」は、すでに2020年に日本で提供が始まっており、月額16,980円のところ、2021年9月現在、3か月間に限り月額9,980円で利用可能となっています。

④ユーザーのストレス水準を測定し、効率的なメニューを提供する

目指すべき方向性は「GenoFitness」と同様でありながら、異なるアプローチでトレーニングの効率化を図ろうとする国内企業が「メガロス」です。すでに首都圏を中心に多数の店舗を構えていますが、メガロスに特徴的なアプローチが「ストレスチェック」です。

一般的なジムでも事前に行う筋肉量や脂肪量の測定だけでなく、身体上ならびに精神的なストレスの状態を測定し、そのストレス状態に見合った運動強度を割り出し、その時々のユーザーの身体・心理状態にとって最適なトレーニングを提案しています。よって、より効率的なトレーニングを科学的な根拠を持って実行することができるのです。やみくもに一律のトレーニングメニューを提案するよりも、効率的な目標達成を目指すことが可能です。

また、館内でトレーニング中の会員の心拍数などをリアルタイムでモニタリングする「ハートレート」システムも導入しています。基本的に身体ストレス・精神ストレスの強度が非常に強いと診断された人は、トレーニング強度を下げることが推奨されますが、ハートレートを常時監視することで、効果の高いトレーニングを継続できるようになるのです。

2021年に入ってから、メガロスはオンラインフィットネスの「LEAN BODY」と提携しながら、ジムでのリアルレッスンと、自宅でのセルフトレーニングを組み合わせ、さらなる業績向上を目指しています。

⑤水泳に関するオンラインプログラム

水泳は最も効率のいい有酸素運動のひとつであり、ダイエットやボディメイクにも効果的だとされています。しかし、水泳をする目的のみでプールに移動したりスイムウェアに着替えたりする手間がかかるため、ひとりで継続することは一般的なフィットネスよりもやや難度が高いかもしれません。

MySwimPro」や「SWIMTEAM」は、水泳トレーニングに専門特化したフィットネスアプリです。健康維持のためのトレーニングメニューや、効果的な脂肪燃焼を促すサーキットプログラムなどを提供しているため、短期的な目標が明確になり、モチベーションを維持しながら水泳を続けられるようになります。

⑥トレーニングジムのレコメンド(自動推奨)システム

オンラインでトレーニングができるようにすることが現代のフィットネス業界の主流ですが、逆転の発想で、「空いた時間に今いる場所から通いやすいジム」を自動的に検索して推奨してくれるアプリも開発されています。アプリを通じて申し込めば、料金が割引となるクーポンを発行することも可能です。各地にジムのチェーン店舗を展開しており、容易にオンラインに移行できないフィットネス企業にとっては使い勝手が良いでしょう。

アメリカ発のジムレコメンドサービスとしては「Vint」や「KFit」などがあります。

サマリー

スポーツジム・フィットネスクラブは、「ステイホーム」が叫ばれるコロナ禍において経営破綻する例が次々と明るみに出ている。ジムに通うことを前提としたビジネスモデルは、今般の大きな社会変化に耐えるのが難しく脆弱といえそうである。その一方で、アメリカなどで次々とリリースされているオンラインフィットネスプログラムは、ヘビーユーザーからライト層まで幅広い人々から支持を集めており、コロナ禍においても業績が落ち込むことがない強さを見せている。

おわりに

今回は、コロナ禍で話題の最新のフィットネスビジネスを6つ解説しました

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参考文献

フィットネスクラブ、コロナ禍で苦境 2020年度の市場規模は3割超の急減、倒産・廃業も過去10年で最高に

フィットネスを再定義する次世代のスタートアップ

アメリカで熱狂する人続出。「Peloton(ペロトン)」の魅力とは?

国内初!「DNA検査」に基づいたオンラインフィットネスの提供を開始

日本初「ストレスチェック」「ハートレート」を活用した、新しいフィットネスジムへ