【超重要】NFTアートとは?|基本知識から買い方までわかりやすく解説!
「NFTアート」という言葉を目にすることが多くなりました。でもNFTアートとはいったい何なのか、デジタルアートとの違いは何かなど、詳しく説明できる人はそう多くはないのではないでしょうか。
今回の記事では、工学博士を取得し、株式会社AIGRAM代表取締役兼Fintech(ブロックチェーン)系ベンチャー企業のCTOを務めている伴直彦が、NFTアートの基本知識を知りたいという方に向けて、NFTアートの歴史やなぜいまNFTアートが流行っているのかわかりやすくまとめています。
目次
1. NFTアートとは何か
NFT(非代替性トークン/Non-Fungible Token)とは「Non-Fungible Token(非代替性トークン)」の略です。これは「あるデータにブロックチェーン技術を活用することで改ざんすることができない仕組みにしたもの」とも言い換えることができます。
そしてNFTアートとは、デジタルアートと「NFT」を掛け合わせた作品のことです。つまり、NFTとは「デジタルアートにブロックチェーン技術を活用することで改ざんすることができない仕組みにしたもの」なのです。
2.NFTはなぜ流行っているのか
では、NFTが流行ったのは、一体どのような背景があったのでしょうか。それは、長年アート市場を悩ませてきた「課題」を、ブロックチェーン技術が解決する力を持っていたからです。
2-1アートの課題とブロックチェーン
従来「アート」の分野はいくつもの課題を抱えていました。
例えば、
・作品が本物であるという証明ができない(贋作の流通)
・デジタルアートに於ける所有権や著作権所在の曖昧性
・取引情報や来歴などの煩雑なデータ管理
といった問題は典型的なアート業界の課題であり、何世紀にも渡る長いアートの歴史の中で、常に人々を悩ませてきた問題でした。
しかし、ブロックチェーンの登場によってこれらの問題は解決へと向かっています。ブロックチェーンに格納された情報は、世界中のコンピュータに分散して存在させることが可能であり、非常に安定的で公正であり、改ざんが非常に困難という特徴を持っています。ブロックチェーンにアート作品の取引情報や真贋、来歴、状態、評価など作品のメタデータを登録することで、作品の情報共有や所有権・著作権の管理、来歴管理や真贋証明などが、従来とは比べ物にならない信頼度で実現が可能になるのです。
2-2 スマートコントラクトで著作権管理
さらに、ブロックチェーンを活用した作品のデジタル証明書を発行することにより、作品の分割所有や証券化、作品のn次使用の権利再編、デジタルアート作品の唯一性を担保するなど、アート作品の所有権の仕組みを革新する可能性があります。
また、ブロックチェーンには、従来のデータベースより複雑な契約情報を記載することができます。
それらは「スマートコントラクト」と呼ばれており、契約が正しく行使されることをプログラムで保証することが可能です。この「スマートコントラクト」を活用すれば、アーティストが自らの著作権などを、第三者の介入なしに自らで適切に行使することができるようになります。このようにブロックチェーンは従来のアート業界が長年抱えてきた問題を解決するだけでなく、アート作品の所有権所有権をより堅牢かつスマートにし、アーティストには明確な権利を保証する力を持っているのです。
3.NFT市場での様々な取引
今、NFT市場では様々な活動が行われています。その代表的な事例を、いくつか紹介しましょう。
3-1 香取慎吾NFTアートチャリティプロジェクト
2021年9月5日、香取慎吾さんの日本財団パラリンピックサポートセンターへの全額寄付チャリティ企画「香取慎吾NFTアートチャリティプロジェクト」が発表されました。チャリティ企画に参加し、寄付を行った方は香取さんが2015年にパラサポの開設を記念し、“i enjoy!” をテーマに描いた壁画のNFTアートを受け取ることができます。
先ほども述べましたが、NFTとは、Non-Fungible Tokenの略であり、ブロックチェーンを用いて発行された唯一無二のデジタルデータで、デジタルアイテムやコンテンツの固有性を保有していることを証明できる仕組みのことです。
このNFTにデジタルアートを登録したNFTアートは、従来のデジタルアートの「所有権や著作権所在の曖昧性」という問題を克服しています。つまり、今回のチャリティ企画で受け取ったNFTアートは贋作ではないという証明ができるため、そこに交換価値が生まれるのです。ただし今回のチャリティ企画で受け取ったNFTアートは転売不可能となっているため実際には金銭と交換することはできませんが、これまで制作されてきたNFTアートの中には高額で取引されたものも数多く存在します。
3-2 「75億円のNFTアート」が落札
2021年の3月11日に終了したオークションでは、ビープル(Beeple)と呼ばれるアーティストのNFTアートが約6935万ドル(約75億円)という、NFTアートとしては市場最高額で落札され、話題になりました。このオークションの落札者したのは「Metakovan」と「Twobadour」と名乗る匿名の投資家らであり、暗号通貨(仮想通貨)ファンド「Metapurse」を運営しています。
彼らは昨年12月のセールでもビープルの作品100点を購入しており、それをCryptovoxelsと呼ばれるバーチャル空間の土地と組み合わせて独自のトークンとして販売しました。
二人はNFTの相当なコレクションを構築しており、その価値は2億ドル以上に達していたというので驚きですよね。彼らは将来、収集したNFTアートを展示する巨大なバーチャルミュージアムを構築したいと述べており、これが実現すればNFTアートの可能性がさらに広がっていくと考えられます。
3-3 「Twitterのつぶやき」が3億円で落札
高額で取引されたNFTアートは他にもたくさんありますが、とりわけ注目を集めたのがTwitter社CEOジャック・ドーシー氏による「just setting up my twttr「たった今、自分のツイッターを設定した」というツイートです。
NFTアートは芸術作品に限らずデジタルであればなんでも活用できますが、なんとジャックドーシー氏はTwitterのツイートすらもNFTアートにしてしまったのです。
2021年3月22日、このツイートは最終的に291万5835ドル(約3億1640万円)にもなり、日本でも話題になりました。
4.NFTアートはどこで買えるの?
以上で紹介したNFTアートは高額で取引されたものばかりですが、それらの他にも日々NFTアートプラットフォームを通して数々のNFTアートが取引されています。
そ
の中でも最大規模の取引額を誇っているのが「opensea」と呼ばれるプラットフォームであり、オークション形式や即購入などの仕組みが整っています。
こちらにopenseaの公式HPやinstagramやTwitterの公式アカウントのリンクも貼っておきますので、興味のある方はぜひご自身の目で確かめてみてください!
OPENSEA
5.アート×ブロックチェーンに取り組む日本企業−スタートバーン株式会社−
それでは最後に、アート×ブロックチェーンの領域で活躍している日本企業「スタートバーン株式会社」について解説します。
スタートバーンは、美術家の施井泰平が2014年に「アートの課題をテクノロジーで解決する」ことをミッションに立ち上げたスタートアップです。2015年末には、アートに特化したSNSとオークション機能を組み合わせたプラットフォーム「startbahn.org」をスタートさせました。
現在では、アートの信用担保と更なる発展を支える流通・評価のためのインフラ「Startrail」の開発や、アート作品に関する情報の真正性と信頼性を担保しながら管理できる、ICタグ付きブロックチェーン証明書「Cert.」の発行を行なっています。同社は2021年7月9日に電通および電通イノベーションイニシアティブと協業でNFT事業の構築支援サービスを開始しており、今後さらなる拡大を遂げると期待されているNFT業界とともにさらに成長していくと思われます。
国内外問わずアート×ブロックチェーンの領域を開拓していくことが予想される同社の活動は、ブロックチェーンの未来を考えるためにも重要な一社なので、是非こちらも併せてチェックしてみてください。
スタートバーン株式会社
6.まとめ
今回はNFTアートとは何かについて解説し、アート×ブロックチェーンの領域の様々な事例について解説しました。「ブロックチェーン×アート」はまだまだ成熟しきっていない領域であり、言い換えれば今後さらなる成長・発展が期待され、参入する余地の大きい分野ともいうことができます。
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参考文献
PRTIMES『香取慎吾さんが「NFTアートチャリティプロジェクト」を始動!NFTアートの基盤技術にLINE独自のブロックチェーン「LINE Blockchain」が採用』